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Re: 石油で読み解く「完敗の太平洋戦争」

昨日の「石油で読み解く『完敗の太平洋戦争』」の感想に対し、靖
国神社・遊就館の展示について次のようなコメントをお寄せいただき
ました。

<この展示室に掲げられたパネル説明とアジアの地図は、「大東亜
を英米の支配から解放する」といった建前とは異なり、日中戦争にい
きづまった日本が資源を求めてアジアに戦域を拡大していった背景を
告白するものになっています。>

「石油で読み解く『完敗の太平洋戦争』」によれば、帝国陸海軍は開
戦の2年前くらいからすでに南方油田の確保の準備がなされていたと
のことです。以下同書の一部を引用します。

-----------------------------------------------------
南方油田を確保するために落下傘部隊の投人が検討された。この年
(引用者注:1940年)十一月には「陸軍落下傘部隊設立準備室」が立
ち上げられている。全陸軍から選抜された要員が、東京の「陸軍戸山
学校」と埼玉県所沢の「陸軍整備学校」に集められて、基礎訓練に入
ったのは開戦の一年一ヵ月前である。陸軍は航空総監部直轄の挺進団
(落下傘部隊)の編成を進めて、満州の白城子、九州の新田原で訓練
のあと、これをパレンバン降下作戦に投入している。

米国の「石油禁輸」が実施される前から、陸海軍の各部局では南方
石油確保のための準備が行われていた。昭和十六(一九四一)年に入
ると、陸軍省整備局は南方油田を確保したあとの復興用の掘削機と油
井管の準備を始めている。この年八月以降には日本中の掘削機が根こ
そぎ集められた。ロータリー式一一八基、綱掘式一五基、合計二二三
基の掘削機が油田地域の占領とともに南方へ輸送された。陸軍では整
備局とは別に独立工兵第二五連隊、通称「採油部隊」が南方石油を確
保する準備に人っている。この部隊は日本石油、帝国石油の民間技術
陣を加えて、九月二十四日に広島港を出航して、十一月には仏印のサ
イゴン(現ホーチミン)港で待機態勢に入っている。
----------------------------------------------------

当時、スマトラ島パレンバン油田を奇襲攻撃した「空の神兵」の活躍
は、われわれ軍国少年を欣喜雀躍させ、歌にまで歌われましたが、こ
ういう背景があったとは、子供にはとうてい分からないことでした。

また次のようなコメントもいただきました。

<しかし、遊就館のホールで毎日上映しているドキュメンタリー映画
「私たちは忘れない」の女性ナレーターはつぎのように語っています。
「ハル・ノートに日本政府は絶望しました! 中国大陸には多くの権
益があり、わが同胞も多数生活している! それを残して軍隊・警察
を撤退させることはできない! ことに満州には、日清・日露の戦いで
多くの将兵の犠牲のもとに取得した合法的な権益がある! それを捨
てることはとうていできない! 」と。>

これも矛盾していますね。自国の植民地は「合法的」と主張しながら、
他国の植民地は不当だというのは筋が通りません。植民地解放を唱え
るなら、まず朝鮮・台湾・満州などの自国の植民地を解放すべきだっ
たでしょう。

それにしても、敗戦後植民地を失った日本が飛躍的な経済発展を遂げ
たというのは、まさに歴史の皮肉ですね。


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プロフィール

西羽 潔

Author:西羽 潔

・1933年生まれの軍国少年OB。
・メーリングリスト「戦争を語り継ごうML」主宰。
・ウェブサイト:「戦争を語り継ごう -リンク集-」
・著書:「むかし、みんな軍国少年だった」(共著)

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