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「集団自決」 文科省が林博史氏らに意見依頼

沖縄戦の「集団自決」に関する教科書検定問題で、文部科学省教科書
課は、沖縄戦研究者に対し「集団自決」に関する学説状況をまとめた
意見書を提出するよう依頼しました。

< 文科省から依頼を受けた林博史関東学院大教授は「『集団自決』
は日本軍の強制であり、検定意見を撤回すべきだと明記するつもりだ。
私の本(『沖縄戦と民衆』)が悪用されたことにも抗議し、本の趣旨
を説明する」と話している。林教授の著書は、文科省の教科書調査官
が軍強制の記述修正を求める根拠として挙げていた。>

「『集団自決』文科省が意見依頼 沖縄戦研究者に」(琉球新報、19
日)

林博史教授の本がどのように“悪用”されたかについては、下記文章
をご参照ください。。

教科書検定への異議 文科省の意見撤回を」 

なぜ「集団自決」がおきたのか、という要因について、林教授は下記
論文の中で、明快に整理しています。長文ですが、その部分を引用し
ます。

沖縄戦『集団自決』への教科書検定」(歴史学研究、07年9月号)

-------------------- 以下引用 -----------------------------

第1に、住民に対しても、捕虜になることは恥であり、捕虜になる
くらいなら一人でも敵を殺して自らも死ぬか自決せよという宣伝・教
育・語りがくりかえされていた。本来、捕虜になるのは軍人であって
非戦闘員である住民は捕虜にはならないはずだが、住民も捕虜になる
のは恥辱であるということが、教育や行政機関、新聞、さらには日本
軍将兵からくりかえし叩き込まれた。皇民化教育はまさにこれにあた
る。

第2に、米軍に捕らえられると、男は戦車でひき殺され、女は辱め
を受けたうえでひどい殺され方をするとくりかえし宣伝・教育されて
いたことである。民家に分宿していた日本軍将兵たちは、日本軍が中
国で自らおこなった強かんやさまざまな残虐行為を語った。住民にと
っては、皇軍でさえそれほどひどいことをするのならば、鬼畜である
米軍はどんなひどいことをするかわからないという恐怖心を煽る絶好
の機会となった。若い女性には、とりわけ深刻な影響を与えたと見ら
れる。

第3に、上記の点とも重なるが、米軍に投降しようとする者は非国
民、裏切り者と見なされ、殺されても当然であるという意識が植えつ
けられ、しかもそれは単なる脅しではなく、実際の戦場の中で、投降
しようとする者を日本軍が殺害することがあちこちでおこなわれたこ
とである。

第4に、「軍官民共生共死の一体化」が叫ばれ、日本軍とともに住
民も玉砕するのだという意識が叩き込まれていたことである。慶良間
諸島での「集団自決」に共通してみられるのは、これで日本軍は玉砕
するのだからわれわれ住民も一緒に玉砕するのだという意識である。
「集団自決」という言葉は戦後の造語であり、当時の人々は「玉砕」
と言っており、軍隊と民間人の区別がない使い方をしていたことから
も、その一体化の状況がわかる。

第5に、慶良間諸島で見られるのは、あらかじめ日本軍あるいは日
本軍将兵が住民に自決用の手りゅう弾を配布し、いざというときはこ
れで自決せよと命令あるいは指示・勧告していることである。日本軍
の権威が絶大であった沖縄、特に慶良間のような離島では、日本軍将
兵から言われることは命令以外の何物でもなかった。住民にとっては
村役場の吏員でも「とても怖い存在でしたので、絶対服従」であった
が、軍人の権威はそれよりはるかに高かった。この手りゅう弾が多く
の場合、「集団自決」の引き金として使われている。さまざまな機会
に多数の手りゅう弾が住民に配られていたということは、日本軍の承
認あるいは容認なしには不可能である。当然、指揮官としての部隊長
の責任は免れないと言うべきだろう。

第6に、慶良間の住民が「集団自決」するきっかけとなっているの
が、「軍命」が下されたと聞いたことである。もちろん日本軍の部隊
長がその命令を出すのを直接聞いたのか、という点についてはわから
ない。ただ確実に言えることは、「軍命」が下されたと伝えられたと
き、その軍命に従って自決するが当然であると信じ込まされていた。
それは文科省が言うように住民が勝手に思い込んだのではなく、長い
期間をかけて叩きこまれていたのである。
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プロフィール

西羽 潔

Author:西羽 潔

・1933年生まれの軍国少年OB。
・メーリングリスト「戦争を語り継ごうML」主宰。
・ウェブサイト:「戦争を語り継ごう -リンク集-」
・著書:「むかし、みんな軍国少年だった」(共著)

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