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歴史認識と愛国心―大沼保昭教授
今朝の朝日新聞のコラム「私の視点」に、東京大学教授(国際法)の
大沼保昭氏が、「歴史認識と愛国心 国民の感覚を大事に」という見
出しの一文を寄稿しています。
大沼教授は、先月の朝日新聞の世論調査で、自分は愛国心があると思
う人は78%で、かつアジア諸国への侵略や植民地支配に対して85%が
反省する必要があると答えているのを例に挙げ、国民は至極まっとう
な感覚を持っていると述べています。
そして、「反省するリベラル=非愛国者」対「反省は恥ずべき自虐と
見る愛国主義者」という対立は、メディアが「受け」を狙った図式で、
国民の意識から乖離したものであるとし、<愛国心が強いものほど自
国に誇りをもち、それゆえに自国の過去を反省し、克服しようと努め
る>と書いています。
大沼保昭氏が、「歴史認識と愛国心 国民の感覚を大事に」という見
出しの一文を寄稿しています。
大沼教授は、先月の朝日新聞の世論調査で、自分は愛国心があると思
う人は78%で、かつアジア諸国への侵略や植民地支配に対して85%が
反省する必要があると答えているのを例に挙げ、国民は至極まっとう
な感覚を持っていると述べています。
そして、「反省するリベラル=非愛国者」対「反省は恥ずべき自虐と
見る愛国主義者」という対立は、メディアが「受け」を狙った図式で、
国民の意識から乖離したものであるとし、<愛国心が強いものほど自
国に誇りをもち、それゆえに自国の過去を反省し、克服しようと努め
る>と書いています。
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歴史認識と愛国心―大沼保昭教授
今朝の朝日新聞のコラム「私の視点」に、東京大学教授(国際法)の大沼保昭氏が、「歴史認識と愛国心 国民の感覚を大事に」という見出しの...

大沼氏は、慰安婦の大半は看護婦、家政婦などの
募集と騙されて(誰に?)慰安所に連れてこられ、
性的奉仕を強制され(誰に?)、長期間自由が
拘束される状態におかれた、と考えています
(p.84)。騙し、強制した主体が日本政府や軍
であるならば、日本の法的責任は免れないはずで
すが、秦氏、西岡氏らの調査によって、日本政府・
軍による強制は疑問視されています。けれども、
大沼氏は、p.143-144に次のように書いています。
「慰安婦」制度を法的な観点からみた場合、それ
は、それが設置され、運営された当時の国際法
と日本の国内法に反する制度であった。この点
については、わたしを含む多くの法の専門家が
同意するだろう。大日本帝国は、「慰安婦」制度
の設置、運営について、たしかに国際法と日本自身の法に反したのである。
いったいどんな法に反したというのでしょうか。
法の専門家として話すのならば、論拠をしっかり
書いて欲しいものです。さらに、大沼氏は、「慰
安婦」制度の責任者を法的に処罰して欲しい、と
いう元「慰安婦」の願いに同情しつつ、次のよう
にこれをしりぞけているのです。
責任者の処罰は、事後法による処罰の禁止という
近代法の根本原則に反する可能性が高い。〔…〕
人に刑罰を科すのは行為時の法律に定められた
規定によらなければならず、行為時に犯罪とされ
ていなかった行為を事後的に処罰することはでき
ないという事後法の禁止は、人類が長年かけて
獲得した、もっとも重要な近代法の根本原則の
ひとつである。(p.174-175)
ということは、大沼氏は、「慰安婦」制度は、
当時の法には違反していなかった、と考えて
いるのではないのでしょうか。
全体として、「何」がいかなる根拠によって、
日本の罪を構成しているのかを、おそらくは
意図的に曖昧にしたまま、元「慰安婦」への
同情に強く動かされて書かれた本であると思い
ました。著者の姿勢に悪意は感じませんが、
人間的にも、学問的にも「甘い」と思います。