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国民学校教科書と神話(下)

4年生になると、一応神話の世界は終了して、「神皇正統記」を教材とし
て、 空中の祭祀をつうじて天皇が「天照大神の血筋をひいた天皇」いわ
ゆる「現人神(あらひとがみ)」であることを立証する試みが行われます。

こういう準備段階を経て、5年生からいよいよ本格的な「初等科歴史」の
授 業が始まります。その教科書の第1ページが、先にもご紹介しました
次の神勅です。

<豊葦原の千五百秋の瑞穂の国は、是れ吾が子孫の王たるべき地なり。
宜しく爾皇孫就きて治せ。さきくませ。宝祚の隆えまさんこと、当に天壌と
窮りなかるべし>

また5年の修身第一課「大日本」でも、この神勅を<皇祖天照大神は、御
孫 瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に天壌無窮の神勅をお授けになりまし
た。大日本は、天照大神の御子孫がお治めになり、天皇の御位は天地と
ともに、き わまりなくおさかえになるということが、この神勅にしめされている
のであります。>と説明しています。

4期の修身では、この「神勅」を逐語的に詳しく解説しているのに対し、5期で
は「神勅」を合理的に解釈することは避け、「信念」として扱う姿勢がみられます。

このように歴史教育は、神話に基づく「神勅」から始まり、それらの「尊い歴史」
をいかに「現人神」である天皇の「大御心」による「大御業」、つまり「八紘一宇
の大理想」という名の戦争の大義名分とむすびつけるかの一点に集中するこ
とになります。この「八紘一宇」という言葉もまた神話から採った造語なのです。

こうした神を中心とした教育のすべてを凝縮してものに、5年の国語「十二月八
日」があります。これは太平洋戦争開戦の日、皆で講堂に集まって、宣戦の大
詔をラジオで聞いたときの様子を書いたものです。

<「天佑ヲ保有シ万世一系ノ皇祚ヲ践メル大日本帝国天皇」
と仰せられるお国がらの尊さ、この天皇の御ためなればこそ、われわれ国民は、
命をささげ奉るのである。そう思ったとたん、私は、もう何もいらないと思った。そ
うして、心の底にあった不安は、まるで雲のように消え去ってしまった。

「皇祖皇宗ノ神霊上ニ在リ。」
と仰せられている。私は、神武天皇の昔、高倉下(たかくらじ)が神剣を奉り、金
のとびが御弓の先に止まったことを思った。天照大神が、瓊瓊杵尊にくだしたま
うた神勅を思った。神様が、この国土をお生みになったことを考えた。

 そうだ。私たち国民は、天皇陛下の大命を奉じて、今こそ新しい国生みのみわ
ざに、はせ参じているのである。勇ましい皇軍はもとより、国民全体が、一つの
火の丸となって進む時である。私たち少国民も、この光栄ある大時代に生きて
いるのである。>

今思えばずいぶん難しいことを習っていたものですが、このころはもう疎開生活
でろくろく勉強をしてなかったせいか、ほとんど覚えがありません。

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プロフィール

西羽 潔

Author:西羽 潔

・1933年生まれの軍国少年OB。
・メーリングリスト「戦争を語り継ごうML」主宰。
・ウェブサイト:「戦争を語り継ごう -リンク集-」
・著書:「むかし、みんな軍国少年だった」(共著)

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