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捕虜もいろいろ(続)

昨日の「捕虜もいろいろ」について、Iさんから示唆に富んだご意見をいただきました。
それに触発されて、私なりに日本軍による捕虜虐待の背景を考えてみました。

(1)国際法の無視
15年戦争の発端となった満州事変、それに続く支那事変は、いずれも「戦争」で
はなく、「事変」であるというのが日本政府の立場でした。そこには宣戦布告もなく、
戦争の大義名分も明確ではありませんでした。

したがって、「戦争」ではないのだから、ジュネーブ条約など国際法を守らなくても
いい、という意識が、南京事件などの捕虜を虐殺する要因の一つになったことは
否めないと思います。そういう意識が、太平洋戦争になっても、尾を引いていたの
ではないでしょうか?

(2)“生きて虜囚の辱めを受けず”の裏返し
戦争中は私のような小学生でも、戦陣訓の「この生きて虜囚の辱めを受けず」は
いつしか頭に入っており、日本の軍人は絶対に捕虜にはならないと信じていまし
た。ですから戦後多くの皇軍の将兵が戦闘中に連合国軍の捕虜になったと聞い
て、まったく仰天しました。

その裏返しで、私自身敵の捕虜を侮蔑する気持ちを持っていたことは間違いあり
ません。落下傘で降下したB29のアメリカ兵を大勢の民衆が殴り殺したというのも、
この裏返しの気持ちがあったといえましょう。私ぐらいの子供が棒で殴った例もあ
りますが、当時の私でもやりかねなかったでしょう。

(3)民族蔑視の意識
捕虜虐待の要因の中で、もっとも大きかったのがやはり「民族蔑視の意識」でしょう。
私は生まれながらにして、いつしか当時の支那人、朝鮮人などを軽蔑する心を植え
つけられていました。そして国民学校で、「日本は神国である。日本民族は、世界に
優れた天孫民族である」と繰り返し、刷り込まれ、われわれは他の民族より優れた
民族であるという自惚れた自尊心を持っていました。さらに大東亜戦争が始まるとと
もに、「鬼畜米英」と叫ばれ、アメリカ人やイギリス人は鬼けだもののように思ってい
ました。

あるときテレビで、南京事件に関わったある元兵士が、「支那人は虫けらのように思
っていた。殺すのに何の罪の意識もなかった」といったことを喋っているのを聞いたこ
とがあります。この「民族蔑視の意識」が、捕虜虐待のみならず、南京虐殺や従軍慰
安婦、外国人労務者の強制連行の根底にあったことは否めないと思います。


南京虐殺や従軍慰安婦、外国人労務者の強制連行のことを持ち出すと、「自虐的」
といきりだす人たちがいます。こういう人たちは、自虐史観を脱して、自分の国に誇
りを持とうといいます。しかしこれらの三つは、自分の国に「誇りを持ちすぎた」結果、
引き起こしたものでないでしょうか? それを反省するのは、けっして「自虐」でなく
て、「自省」であると思っています。

しかしいまだにこういう「自省」のできない、独善的な考えの人も一部にいるようです
ね。そして「過剰な誇り」の時代を知らない若い人たちが、そういう連中に雷同して、
「もっと自分の国に誇りを持て」、そうでない奴は「反日」だと叫んでいるように思えま
す。
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プロフィール

Author:西羽 潔

・1933年生まれの軍国少年OB。
・メーリングリスト「戦争を語り継ごうML」主宰。
・ウェブサイト:「戦争を語り継ごう -リンク集-」
・著書:「むかし、みんな軍国少年だった」(共著)

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