スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

天皇は神様?

私たち戦時中の小学生は、「天皇陛下は生き神様、すなわち現人神
(あらひとがみ」と教え込まれていました。しかしこれは、生まれた
時から皇国史観を刷り込まれていた私たちでも疑問でした。「それで
は天皇陛下は用便なぞされないのか?」。これは当時の多くの小学生
が持つ疑問でした。

ある人はいろいろ悩んだ上、「小」は考えられるが、「大」は考えら
れないという結論に達しました。またある人の国民学校では、学級を
二分して論争が行われたとのことです。

日本は『神の国』、天皇は『現人神』」

私を含む大部分の小学生は疑問を抱きつつも、先生に聞かれた時や、
作文に書く時は、タテマエとして、「天皇陛下は神様です」と答えて
いました。

ところでわれわれより少し年長の、軍隊の経験がおありの皆さんは
「現人神」を本当に信じておられたのでしょうか? われわれより、
教養も分別もある、もう大人だった皆さんが、こういう非科学的なこ
とを本当に信じていたとはとても考えられません。

この疑問に対し、何人かの元軍人からお答えをいただきました。以下
それについての感想です。 皆さんやはり「天皇は現人神」などとは信じておられなかったことが
分りました。また戦地では、天皇陛下のためというのでなく、国民の
ため、同胞のため、ということで戦われた方が多いようですね。

>  世間で「天皇は現人神」と言い出したのは昭和13-4年ごろと
> 記憶します。
> 支那事変が泥沼に入っていった頃です。杉本中佐が「大義」という
> 本を書いてベストセラーになった頃と記憶します。この本の中に出
> ているのではないですか。

そうですか。それでは小学生に「天皇陛下は神様である」と本格的に
教えだしたのは、昭和16年に小学校が国民学校へ変わった頃からでし
ょうか? もちろん軍隊ではそういう教育はされていなかったようで
すが、例えば陸士、海兵、幼年学校や予科練などではどうだったので
しょう?

杉本五郎の「大義」を下記で読みました。というより、読もうとしま
したが、たいへん難解かつ長文のため読むのはとても“大儀”なので、
途中でギブアップしました。第一章「天皇」の書き出しだしだけ引用
します。

<天皇は 天照大御神と同一身にましまし、宇宙最高の唯一神、宇宙
統治の最高神。国憲・国法・宗教・道徳・学問・芸術乃至凡百の諸道
悉皆 天皇に帰一せしむるための方便門なり。即ち 天皇は絶対にま
しまし、自己は無なりの自覚に到らしむるもの、諸道諸学の最大使命
なり。無なるが故に、宇宙悉く 天皇の顕現にして、大にしては上三
十三天(一)、下奈落の極底を貫き、横に尽十万(二)に亘る姿となり、
小にしては、森羅万象 天皇の御姿ならざるはなく、垣根に喞(すだ)
く虫の音も、そよと吹く春の小風も皆 天皇の顕現ならざるなし。
釈迦を信じ、「キリスト」を仰ぎ、孔子を尊ぶの迂愚を止めよ。宇宙
一神、最高の真理具現者 天皇を仰信せよ。万古 天皇を仰げ。>
http://sizuka.at.infoseek.co.jp/taigi.htm

そして「現人神」という言葉が出てくるのは、第十二章「神勅」です。

<日夜 天照大神と御同座、誠に戒律の極致、無上信仰なり。 天照
大神其の儘の御心に成らせられ、即ち 天皇は真に現人神として万民
を統べさせ給ふ、祭政一致とは実にこの謂ひにして、これ神の政治な
り。>

これはまさに「天皇教」ですね。狂信的な天皇教の信者だけが、「現
人神」を信じていたのではないでしょうか?

いずれにしろ一億国民が、「天皇は神である」といった非科学的なこ
とを信じて(信じた振りをして)いたということは恐ろしいことです。
今でも「将軍様」を神のように崇める国がありますが、それを想像し
てみてください。

> 昭和21年1月1日に「新日本に関する詔書」で「人間宣言」されたか
> ら、今更論じる事はないと思いますが・・・

このMLは「人間宣言」以前の戦前・戦中のことを論じるのが主旨で
す。

<朕と汝ら国民との紐帯は、終始相互の信頼と敬愛とによりて結ばれ、
たんなる神話と伝説とによりて生ぜるものにあらず、天皇をもって現
御神(あきつがみ)とし、かつ日本国民をもって他の民族に優越せる
民族にして、ひいては世界を支配すべき運命を有すとの、架空なる観
念に基づくものにもあらず。>

まさにここで否定されていることの裏返しが、戦前・戦中の思想でし
た。この人間宣言で、もっともせいせいしたのは、昭和天皇だったの
ではないでしょうか?

戦争中だったか、昭和天皇が「自分も君らと変わらない人間である」
と側近に漏らしたというのを、何かで読んだことがあります。生物科
学者である昭和天皇にとって、神様化されることは何よりの苦痛だっ
たのではないかと思います。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://nishiha.blog43.fc2.com/tb.php/383-2b04291c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

最近の記事

カテゴリー

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

月別アーカイブ

最近のトラックバック

ブログ内検索

リンク

このブログをリンクに追加する

「戦争を語り継ごうML」ご案内

このブログの記事は、主としてメーリングリスト「戦争を語り継ごうML」へ投稿したものです。このメーリングリストは、世代間の交流を通じて戦争を正しく語り継いでいく場として、設けたもので、10代から90代まで、多数の人が参加しています。

参加を希望される方は、上の「リンク」の「戦争を語り継ごうML」をクリックしてください。

コメントをどうぞ

このブログについてのコメントは、下記へお寄せください。

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール

西羽 潔

Author:西羽 潔

・1933年生まれの軍国少年OB。
・メーリングリスト「戦争を語り継ごうML」主宰。
・ウェブサイト:「戦争を語り継ごう -リンク集-」
・著書:「むかし、みんな軍国少年だった」(共著)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。