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トヨタと北東アジア安全保障

「ピースデポ」という、平和問題に関する系統的な情報・調査研究
活動を通じて、草の根の市民活動に貢献していこう、という目的で
設立された市民団体があります。

そのサイトを開きますと、「トヨタ・プロジェクト」という文字が
目に付きました。財団法人トヨタ財団が助成する研究プロジェクト
で、名称は「市民社会が構想する北東アジア安全保障の枠組み」、
報告書のタイトルは「<脱軍備>で平和と安全を」とあります。

http://www.peacedepot.org/theme/toyota/toppage.html

日本を代表する大企業が、このように反戦平和を目的とする市民団体
に助成金を出しているとは、寡聞にて知りませんでした。まったく時
代が変わった感がします。

戦前の日本経済の中心は、いわゆる重厚長大型の産業が中心で、軍需
は大きなお得意さんでした。また海外市場へ進出するにも、海外から
資源を輸入するにも、国境の壁があり、武力を必要としました。大企
業にとって、戦争は“オイシイ”ものでした。

しかし戦後の日本経済は民需が中心で、しかも経済のグローバル化に
よって、武力を伴わなくても、どんどん海外へも進出できるようにな
りました。日本でもっとも利益を上げているトヨタは、その稼ぎの大
半を海外市場であげています。中でも、お隣の中国はこれからの一番
の得意先であることはいうまでもありません。

これら大企業にとって、今や戦争は大きなマイナスで、安定した国際
関係こそ望まれています。日本経団連や経済同友会などが、「東アジ
ア経済共同体」を志向しているのもそのためです。右翼テロを恐れて
余り公言はされませんが、財界の中でも小泉首相の靖国参拝に対する
批判は根強いようです。

アメリカでも、ブッシュ政権は当初ネオコンや産軍複合体の勢力が強
く、中国に対しても強硬姿勢が見られましたが、最近では中国市場を
狙う産業の勢力が強くなり、柔軟な姿勢に変わってきました。

最近日本経済が上昇機運に転じたのも、アメリカの景気が安定してい
るのも、中国の影響が大きいと思います。また中国にとっても、13億
人の生活を向上させていくには、日本やアメリカなどの経済交流を欠
くことができません。

社会主義国が市場経済化し、経済がますますグローバル化して、各国
の経済がお互いに“共生”関係に進みつつあるおりから、かつては戦
争へのアクセルを踏んだ経済が、今や戦争へのブレーキを踏む時代と
いえましょう。トヨタが「<脱軍備>で平和と安全を」というプロジ
ェクトに金を出すのはその表れです。

よく中国の脅威をことさら言い立て、日本も対抗しなければと言う人
がいますが、そういう考えは帝国主義や冷戦時代の前世紀的思考から
抜けきっていないといえましょう。

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コメント

ありがとうございました。

貴重なご指摘ありがとうございました。

時代が変わったとつくづく思います。
戦争は日本の経済を破壊するということを痛感しました。
私のホームページの掲示板に転載させていただきました。

大変貴重な情報をありがとうございました。
どんな時代になっても、心して胸に刻み続けなければならないと思っています。

私自身は、物心ついた時には憲法が存在し、その平和憲法に守られて
豊かな時代を自由にいきてきました。

しかし、戦争によって、どれ程多くの命が無残に失われ、悲惨な戦争体験が今を生きる人々の心の中に、なお、存在していることを思い知ること…、そして、大切な子孫にきちんと語りつたえていくことが、とても大切だと思います。

ともすれば、慌しい日々に忙殺されてしまいがちですが、決して忘れてはいけないことと痛感しております。

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プロフィール

西羽 潔

Author:西羽 潔

・1933年生まれの軍国少年OB。
・メーリングリスト「戦争を語り継ごうML」主宰。
・ウェブサイト:「戦争を語り継ごう -リンク集-」
・著書:「むかし、みんな軍国少年だった」(共著)

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