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神話と歴史教科書

斎藤彰さんの貴重なサイト「終戦前後2年間の新聞切り抜き帳」に、
「高天原はつくり話」という見出しの1946年3月15日付けの新聞記事
が掲載されています。文部省の官僚が、それまでの歴史教育にあった
神話を否定し、正しい歴史の見方をラジオ放送を通じて教えたという
内容です。

堕ちた偶像

今の若い皆さんには想像もつかないと思いますが、私たちが国民学校
(今の小学校)で習った“国史”(日本史)は、イザナギ、イザナミ
の「国生み」から始まっていました。「縄文・弥生」などの言葉を知
ったのは、戦後になってからでした。

「初等科国史上」の1ページ目には、次のような、天照大神が孫・ニニ
ギノミコトに与えとされる「神勅」が掲げられています。

<豊葦原の千五百秋の瑞穂の国は、是れ吾が子孫の王たるべき地なり。
宜しく爾皇孫就きて治せ。さきくませ。宝祚の隆えまさんこと、当に
天壌と窮りなかるべし>

国史の授業は5年生からでしたが、それまでも2年生の国語の「国引き」
を初めとして、教科書には神話がさかんに登場します。3年生前期の
「国語一」では24課中5課が、「修身一」では20課中4課が神話を扱っ
ています。上記の“神勅”もすでに分かりやすい言葉で引用されてい
るのです。

また旧制中学校でもやはり国史は天孫降臨から始まっていたそうで、
戦時下の盛岡中学」というサイトでも、良心的な歴史の教師が、
「国史の授業は歴史としてはっきりしている大化改新のところから始
めます」とさりげなく言って、神話の部分は端折られたと書かれてい
ます。

さらに小学校へ入る前でも、「アマテラスオウミカミ」や「ヤマトタ
ケルノミコト」などは、「モモタロウ」や「ハナサカジイサン」と並
んで絵本の主人公でした。こうした“英才教育”で、私たちは「日本
は神の国」ということを刷り込まれていったのです。1937年生まれと
いう前総理は、そういう幼児体験から未だに抜けきっていないようで
すね。

今また、いわゆる「つくる会」の「新しい歴史教科書」では、こうい
う神話が復活しているようです。私には、「古い歴史教科書」としか
見えません。

神武天皇の東征伝承 (新しい歴史教科書・第1章第2節)」


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西羽 潔

Author:西羽 潔

・1933年生まれの軍国少年OB。
・メーリングリスト「戦争を語り継ごうML」主宰。
・ウェブサイト:「戦争を語り継ごう -リンク集-」
・著書:「むかし、みんな軍国少年だった」(共著)

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