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不破哲三氏の戦争体験(上)

先に辻井喬こと堤清二氏の戦争体験をご紹介しましたが、敗戦後同氏
と共産党東大細胞の仲間であった不破哲三氏(日本共産党前議長)の
戦争体験を2回に分けてご紹介します。以下は不破氏の著書「歴史教
科書と日本の戦争」(小学館、2002年)からの引用です。

日本の戦争をめぐって 1

小学生のころ

私は、満州事変の前の年に生まれ、小学二年生の夏七月に日中戦争、
六年生の十二月に真珠湾攻撃と、少年期を戦時下に過ごした世代です
が、当時、私が受けてきた戦争宣伝のうたい文句が、そのままの姿で
『歴史教科書』(註:扶桑社版「新しい歴史教科書」)に出てくるの
には、驚かざるをえません。

『歴史教科書』が日本の中国「進出」の根拠として描きだしている
「満蒙」権益論も、アメリカとの衝突は不可避のものだったとする
「日米戦争必至論」も、当時の日本社会に氾濫していたもので、私た
ち小学生も、さまざまな方面から吹き込まれてそのとりこになってい
ました。だいたい子ども向けの雑誌や読み物も、「満蒙」でアジア解
放の超人的な活躍をする冒険活劇談で埋められていましたし、『われ
らもし戦わば』とか、来るべき対米戦争の勝利の見通しを論じた読み
物が、いま風に言えば、子どもたちのベストセラーになっていたので
す。さらに、真珠湾攻撃の年には、夏ごろから、「日本はABCDラ
インに包囲されている」という話を、新聞やラジオでも、また学校で
もさんざん聞かされました。だから一九四一年十二月八日、対米英戦
争が始まったとき、私たちは小学生ながら、大いに“戦意”を“昂揚
”させたものでした。

子どもたちを含め、日本の国民の多くを戦争への道にひきずりこんだ
これらの侵略戦争合理化論を、真珠湾攻撃から六十年たってまるまる
復活させたばかりか、それを二十一世紀をになう子どもたちに教えこ
む――こんな企てを、歴史はけっして許さないでしょう。

軍需工場での中学生活

中学校では、私がまともに勉強できたのは最初の、一年間だけで、三
年になると、一学期から勤労動員でした。最初の数カ月は学校に近い
丘陵地帯に、巨大な防空壕を掘る土木作業に駆り出され、八月の末か
らは、明電舎の大崎工場で水晶発振器づくりに動員されました。私た
もの学年にあてがわれたのは、水晶を旋盤で研磨し薄い板に仕上げる
仕事でした。力ーボランダムという硬い金剛砂を使って研磨するので
すが、それを手でやるのですから、いくら手袋で保護しても指の先の
方がたちまち擦りへって、骨が見えるようになった仲間も続出しまし
た。私は倉庫番を仰せつかったので、その苛酷な労働はしないで済み
ましたが、ともかく十五歳から十六歳の少年たちに、こういう仕事を
平気で押しつけるのが、“勤労動員”だったのです。

上級の四年生は、プレスなどの機械作業があてられました。軍需工場
には、米や大豆などの“特配”があり、ときどき私たちもそのお裾分
けにあずかりましたが、それが思わぬ悲劇を生みました。“特配”の
大豆をプレスでたたくと、きれいに焦げ上がった豆板ができるのです。
それを先輩の工員たちから教わって、休憩時間に大豆をたたいていた
上級生が、プレスに手をのせたままついスイッチを入れてしまって、
掌をつぶしてしまう大怪我をしたのです。安全装置もなしに、子ども
にそんな危ない機械を使わせても平気、そういう無理無法が平然と通
る世界でした。

私が、八月十五日、戦争終結の天皇の放送を聞いたのは、動員先のこ
の工場の屋上ででした。

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プロフィール

西羽 潔

Author:西羽 潔

・1933年生まれの軍国少年OB。
・メーリングリスト「戦争を語り継ごうML」主宰。
・ウェブサイト:「戦争を語り継ごう -リンク集-」
・著書:「むかし、みんな軍国少年だった」(共著)

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