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欧米で高まる「靖国史観」への懸念と疑問

雑誌「論座」の5月号に、「欧米知識人の間で高まる『靖国史観』へ
の懸念と疑問」という見出しで、国際問題アドバイザーの岡本行夫氏
のインタービュー記事が掲載されています。

中道保守派を自認する岡本氏は、最近の中国の態度を批判し、憲法も
もう少し現実的なものに改正すべきとしていますが、過去の15年戦
争は自衛のための正当な戦争ではなかったという立場で、首相の靖国
参拝を支持するような歴史認識を振りかざしていては、世界から孤立
するという見解を展開しています。

記事の中から、岡本氏が実際に見聞した欧米の人たちからの「靖国史
観」批判の部分を抜粋引用します。

欧州議会やEU各国の有識者は、予想以上に日本と中国の関係、そし
て靖国や歴史認識の問題に関心があったと述べ、次のように語ってい
ます。

<靖国の付属施設である遊就館についても、いろいろと意見が出まし
た。彼らが言うには、最近、遊就館は欧米諸国の知識人たちの観光コ
ースになっているそうです。あそこの展示や主張は、僕でも驚きます。
軍艦マーチが流れる館内では、満州について「現在は中国が支配し東
北部と称している」と、本来は中国の領土ではないような展示をする。
南京については、「(日本軍が占領したから)市民の生活に平和がよみ
がえった」と。訪れた欧米人は、あの戦争を肯定することが日本人の
戦争史観であり歴史観だと受け止めてしまう。>

そして米国内からの懸念の声についても、

<そうですね。僕は昨年末にワシントンでも講演しましたが、聴衆か
らやられました。「小泉首相の参拝を怒っているのは中国や韓国だけ
ではない、我々アメリカ人も怒っていることを忘れないでくれ」と。
日本はル-ズベルトに編されて太平洋戦争に引っ張り込まれたという
遊就館の説明を怒っているわけです。最近では、アメリカの新聞に、
「アジア諸国との関係を悪化させている日本との同盟関係は、米国に
とってマイナスではないか」という内容の論評まで掲載されるように
なっている。>

<東京に駐在するある国の外交官が、極論だと思いますが、「日本は
中国、北朝鮮、韓国、ロシアとことごとく関係が良くない。自分のま
わりのすべての隣国と関係が悪いのは、世界中で日本だけではないで
しょうか」と言った。やはり日本にも問題があるのではないかという
見方が米国や欧州にジワジワと広がってきていることは事実でしょう。


岡本行夫氏の戦争観については、下記をご参照ください。

1945年に生まれて
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プロフィール

西羽 潔

Author:西羽 潔

・1933年生まれの軍国少年OB。
・メーリングリスト「戦争を語り継ごうML」主宰。
・ウェブサイト:「戦争を語り継ごう -リンク集-」
・著書:「むかし、みんな軍国少年だった」(共著)

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