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「真実のインパール」を読んで

平久保正男著「真実のインパール」(光人社、2006年)を読みました。著
者の平久保氏は、主計士官としてインパール戦線に従軍した方で、この
本はその体験記です。

ご承知のように、アジア太平洋戦争における日本軍の戦死者の6割以
上が餓死といわれています。これは旧帝国陸軍が兵站を軽視し、食糧
補給を現地調達に頼ったためですが、その典型的な例がインパール作
戦でした。

この最悪の条件の戦場で、入隊したばかりの新参の見習士官がいかに
部隊の食糧などを確保するかが克明に描写されており、余り知られて
いない主計部隊の苦労がよく分かりました。

インパール作戦に関する戦記、体験記は数多く公表されていますが、
兵站面から書かれた資料は極めて稀と思いますので、たいへん貴重な
資料といえましょう。

ただ私が意外だったのは、ビルマの農家が日本軍に協力的で、食糧の
現地調達(軍票による購入)もほとんどこれら農家に頼っており、著
者たちもしばしば農家に泊めてもらったり、食事に与っているという
ことでした。

しかし中には軍規を無視した兵士たちが食糧などを強奪し、逆襲され
て殺されるといった例も書かれていますが、中国戦線などでの例から
みて、これはきわめて例外的なように思えました。

ただしこれは日本軍が確保していたビルマの領内のことで、インド領
のインパールの山地では、敵の食糧を奪う以外は食糧補給の途はなく、
それが白骨街道といわれるほどの多くの餓死者を出した原因だったと
思います。

著者の平久保正男氏は、戦後イギリスの戦友会との交流を始め、かつ
ての敵味方の軍人が参加するBCFG(ビルマ戦友同士会)、BCS(ビル
マ作戦協会)の会長として日英和解を進めてこられました。その功績で、
英女王よりOBE(4等勲爵士)の勲章を、日本の外務大臣からも表彰を
受けられました。

同氏は惜しくも今年の3月4日に急逝されましたが、 その後4月2日つけ
のThe Times(ロンドンタイムズ)は"Masao Hirakubo-Japanese Burma
veteran who worked for reconciliation after the wa
r"という見出し
で追悼文を掲載しました。ロンドンタイムズに日本人の追悼文が載ることは
そんなに多くはありません。氏の業績が英人にいかに評価されているかう
かがえます。

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プロフィール

西羽 潔

Author:西羽 潔

・1933年生まれの軍国少年OB。
・メーリングリスト「戦争を語り継ごうML」主宰。
・ウェブサイト:「戦争を語り継ごう -リンク集-」
・著書:「むかし、みんな軍国少年だった」(共著)

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