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判決受諾と裁判受諾

今日の産経新聞のコラム「正論」で、上智大学名誉教授の渡部昇一氏
が、相変わらずの「日本はサンフランシスコ講和条約で、東京裁判の
諸判決 (Judgments) を受諾したが、裁判そのものを受諾したわけで
はない」との異論を展開し、麻生首相や外務省を批判しています。

「【正論】上智大学名誉教授・渡部昇一 政治家・官僚にお願いした
い事」


渡部氏は、裁判受諾と判決受諾が違う例として、ソクラテスや戸塚ヨ
ットスクールの戸塚宏氏の例を挙げています。また東京裁判のA級戦
犯は誰も裁判を受諾しておらず、受諾したのは判決であると述べてい
ます。

仮にその理屈を認めるとしても、日本政府の場合は、正式見解で“東
京裁判を受諾”しているのです。例えば06年6月16日、小泉内閣は民
主党の野田よしひこ衆議院議員が出した質問書に対する答弁書で明確
な見解を示しています。

< 極東国際軍事裁判所の裁判については、法的な諸問題に関して種
々の議論があることは承知しているが、我が国は、日本国との平和条
約(昭和二十七年条約第五号。以下「平和条約」という。)第十一条
により、極東国際軍事裁判所の裁判を受諾している。>
サンフランシスコ平和条約第十一条の解釈ならびに『A級戦犯』へ
の追悼行為に関する質問主意書及びそれに対する答弁書


渡部氏は「裁判受諾」説を外務省の誤った見解としていますが、そう
でなく内閣すなわち日本政府の正式見解なのです。安倍内閣当時の麻
生外相が発言した<「日本は東京裁判を受諾して国際社会に復帰した」
との発言には重大な錯誤があったと思う>との彼の記述には、簡単明
瞭な錯誤があると思います。

この渡部氏とまったく同じ説を、小泉内閣の官房長官であった安倍晋
三氏が国会答弁で述べています。もし安倍氏が首相になった時、「日
本は東京裁判を受諾していない」という「安倍談話」を発表していた
ら、国の内外で大騒ぎになり、たちまち内閣は瓦解したことでしょう。

このようないわば牽強付会的な説を、天下の公器でいまだに主張して
いる人がいるとは驚かされました。

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プロフィール

Author:西羽 潔

・1933年生まれの軍国少年OB。
・メーリングリスト「戦争を語り継ごうML」主宰。
・ウェブサイト:「戦争を語り継ごう -リンク集-」
・著書:「むかし、みんな軍国少年だった」(共著)

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