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「霧の火」と「氷雪の門」

昨夜読売テレビで放映されましたTVドラマ「霧の火~北の大地・樺
太に散った九人の乙女たち」を観ました。

これは1945年8月20日、旧樺太(サハリン)の真岡にソ連軍が侵攻し
てきたとき、最後まで業務を遂行していた真岡郵便局の電話交換手の
女性12名のうち9名が集団自決した事件を描いたものです。

ウィキペディア「真岡郵便電信局事件

この自決した9名の電話交換手は、実は靖国神社に祀られています。
なぜ軍の仕事をしていたわけでもない女性たちが靖国の神になるのか、
不可解ですが、“殉国美談”の主として、靖国神社の宣伝に利用する
ためとしか思えません。

1974年に製作された古い映画「樺太1945年夏 氷雪の門」がいまだに
靖国の遊就館で上映されているのもその証拠です。この映画を観てい
ませんので、映画の意図するところはよく解かりませんが、少なくと
もこの映画が、9名の乙女たちを英霊として顕彰するために利用され
ていることは事実です。

昨日の「霧の火」は後半しか観ていません。全体のストーリーより、
どういう視点から製作されたかに興味があったからですが、後半だけ
でもそれはよく解かりました。

このドラマでは、靖国の祭神になった女性たちではなく、生き残った
女性が主人公になっています。そして最後の部分で、その主人公の心
の叫びとして次のように語らせていました。

「散華という名の下に、死を美化した時代は終わりました。戦争は、
8月15日に終わったんです。 私たちは生きなくてはなりません。
英霊たちの命に報いるために。幸せになるために。新しい自由な時代
を生き抜かなくては」

「散華」という言葉が溢れている遊就館では、このドラマは決して上
映されることはないでしょう。

映画もTVドラマもろくろく観ていないのに、生半可な感想で申し訳
ありません。どなたか、どちらでもいいですからご覧になった方のご
批判をお待ちします。


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御国の旗をばおし立てて

今日の産経新聞のコラム「正論」に作家の深田祐介氏が、「北京五輪
と国旗の似合う美女
」という一文を書いています。

深田氏は、北京オリンピックで日本選手団の旗手を務めた福原愛さん
の姿から、戦時中の国策映画に出演した入江たか子や高峰秀子の凛々
しい姿を連想し、往時の「美しい国、日本」を思い起こしています。

そして愛ちゃんの堂々たる行進の感想を次のように述べています。

< 福原愛さんは、日中交流の最前線に立っているという自覚があり、
どちらの国からも支持されているという強い自信があるのだろう。

それで彼女の堂々の旗手ぶりは一般日本人の胸を打ち中国人観衆の
罵声(ばせい)、罵倒(ばとう)のこだまも「まあ、あの美人と笑顔
に免じておおめに見てやろう」という範囲に踏みとどまったのではな
いか。

どんどん中国が安定を失いつつあるのは間違いない。オリンピック
もいつなにが起るか判らない危うさに満ちていた。たかが旗手の問題
ではない。彼女が旗手でなかったら、大混乱や暴動が絶対に起らなか
ったとは言いきれないのだ。

鈍感な中国人は気がついていないが、福原愛という存在を失ったら、
中国が突然亡国の危機にさらされる可能性だって皆無と言えなかった。


「愛ちゃんが旗手を務めていなかったら、中国が亡国の危機にさら
される」などとはとても思えませんが、最後の文章にはもっと驚きま
した。

< 「すすめや すすめや みなすすめ 御国の旗をばおし立てて」。
私は戦時歌謡を思い出し、知らぬ間に口ずさんでいた。>

かつて“皇軍”は「皇国(みくに)の旗をばおし立てて」、こういう“軍歌”
を歌いながら、中国へ侵略の歩を進めました。日中の平和友好のシ
ンボルのような愛ちゃんの行進から、どうしてこのような“戦時歌謡”
が思い出されるのでしょう?

深田氏は戦後63年経ってもまだ、軍国少年ボケから抜けきっていない
ようですね。そのくせ「御国」などと間違うのは、高名な作家らしく
ありません。

ご参考までに、軍歌「皇国の守り(来たれや 来たれ)」の一節をご
紹介しておきます。

♪すすめや すすめや みなすすめ
皇国の旗をば おし立てて
すすめや すすめや みなすすめ
先祖の国を まもりつつ
死すとも しりぞく事なかれ
皇国のためなり 君のため♪

皇国の守 ( 来たれや来たれ )


東条の孤影

今日の毎日新聞のコラム「発信箱」は、最近公開された東条メモから
書き出し、戦争末期には東条元首相は誰も近寄らない孤独の存在であ
ったこと、そして彼の自殺未遂などに言及しています。

「発信箱:東条の孤影=玉木研二(論説室)」


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プロフィール

西羽 潔

Author:西羽 潔

・1933年生まれの軍国少年OB。
・メーリングリスト「戦争を語り継ごうML」主宰。
・ウェブサイト:「戦争を語り継ごう -リンク集-」
・著書:「むかし、みんな軍国少年だった」(共著)

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