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慰安婦の強制連行はなかったか?(続)

先週「慰安婦の強制連行はなかったか?」 で、オランダ人と韓国人
の元慰安婦の方の証言を例に、これでも“狭義の”強制連行はなかっ
たと言えるかと書きましたが、今朝の北海道新聞のコラム「卓上四季
が紹介している証言についてはどうでしょう?

当時16歳だった韓国人女性が、「カーキ色の服を着た軍人と、黒っぽ
い服を着て腰にサーベルを付けた巡査に両腕をつかまれ、トラックに
乗せられた」と証言していますが、これも“広義の”強制連行でしょ
うか? それとも彼女が嘘をついているというのでしょうか?

狭義の強制連行はなかったとする安倍発言が火に油を注いだようで、
米下院の対日決議案の共同提案者が、当初の6人から42人に急増した
ようです。

従軍慰安婦問題、米の対日決議案提案者42人に増える」(読売、
13日)

4月に訪米を控える安倍首相は、誰かに注意されたとみえて、慌てて
「河野談話」を無条件で継承するとし、元慰安婦にお詫びの言葉を述
べていますが、そうした姿勢に不満を抱く、シンパのネオコン議員グ
ループとの間で、内輪揉めになっているようです。

慰安婦問題:再調査めぐり、自民議連と官邸が押し付け合い」(毎
日、12日)

「聖断」虚構と昭和天皇

纐纈厚著「『聖断』虚構と昭和天皇」(新日本出版社、2006年12月)
を読みました。

この書は、重臣たちによる東条内閣打倒工作に始まり終戦の「聖断」
に到るまでの、主戦派の軍部と、和平派の重臣・宮中グループとの、
戦争継続をめぐってのせめぎあいの過程を詳しく描いています。

そして、当初東条英機を信頼して軍部派に軸足を置いていた昭和天皇
が、戦況の悪化とともにしだいに和平派の方に軸足を移し、重臣・宮
中グループのシナリオに従って「聖断」を下すに到ったことを明らか
にしています。

その間終始、昭和天皇の頭の中にあったのは、国民を救うことではな
く、国体の維持=皇室の存続であって、それが「聖断」を下すのをた
めらわせたのでした。

これらの史実は、すでに多くの書物に書かれており、とくに真新しい
事実はありませんが、この「聖断」が戦後「聖断神話」となって、
「平和天皇」のイメージを増幅させ、昭和天皇の戦争責任を回避させ
るとともに、今日におけるナショナリズム昂揚の因ともなっている、
と著者は分析しています。

最終章の「おわりに」の一節を引用します。
-------------------------------------------------------------
 その後、私はこの「聖断」に至る昭和天皇周辺の動向を追究すると
同時に、戦後日本社会における「聖断神話」や「聖断礼賛論」が昭和
天皇と日本人の戦争責任の棚上げに極めて大きな役割を担っているこ
と、しかもそれが今日におけるナショナリズムの昂揚と軌を一つにし
ながら、再生産される潮流が創り出されていること、などを自覚する
ようになった。

ここで言うナショナリズムの昂揚とは、敗戦体験のなかで国際社会
に向かって開かれた市民社会の形成により、自らが主体的な価値判断
を大切にし、相互に尊重しながら共生への道を切り開こうとする精神
や意識が後退し、他者や他民族あるいは諸国民との過剰な競争主義の
なかで、差別意識や拝外意識を露わにしていくことを意味する。

今日、日本の社会は、アジア諸国の発展と民主化の進展のなかで、
それへの対応が後手に回り、あわせて経済格差ゆえに存在した優越主
義が清算を迫られることも手伝って、ある種の閉塞感が漂っている。
それはある種の孤立感や焦燥感とでも言いうる。そのような時に、日
本国民は、自らの伝統や歴史に自らのアイデンティティー(帰属意識)
を必要以上に求め、失われつつある自信の取り戻しに奔走する。

そのような時代背景のなかで、日本人としての「誇り」の証明とし
て再び天皇及び天皇制への憧憬の念が深まりつつある現状にある。そ
れが、繰り返しになるが、「聖断神話」や「聖断礼賛論」の再登場と
いう問題である。

従軍慰安婦問題をめぐる今日の報道

今日の午前中のテレビでも、やはり各チャンネルで従軍慰安婦につい
ての安倍発言のことが話題になっていました。その中で、日ごろ右派
的発言の多い竹村健一氏(1930年生まれ)の次のようなコメントが印
象的でした。

「日本人は、例えば海外における飛行機事故のような場合でも、自国
民の被害にだけ関心があって、他国民のことは関心がない。人権問題
といっても、外国人の人権のことは考えない。従軍慰安婦の拉致は認
めなくて、北朝鮮による拉致ばかり主張しても、世界では受け入れら
れないのではないか」

従軍慰安婦の強制連行はなかったとする論客である秦郁彦氏は、今日
の産経の「正論」で、「米下院の慰安婦決議阻止の妙案」として、ベ
トナム戦争のときアメリカ軍も慰安所を設けていたとして、決議案の
対象を日米両国政府に修正するようかけあってみたらどうだろうと提
案しています。

竹村氏とは対照的に、国際的にもお恥ずかしい提案と感じました。

「【正論】現代史家・秦郁彦 米下院の慰安婦決議阻止の妙案

今日は西日本紙が社説で採りあげています。

対応は河野談話を基本に 従軍慰安婦問題」(西日本)
< 安倍首相の発言が「過去の歴史に向き合おうとしない日本」のイ
メージを増幅しているとしたら、私たち国民にとっても不幸なこと
だ。>

商業紙では伝えていませんが、しんぶん赤旗によりますと、インドネ
シアの英字紙も、社説で安倍発言を厳しく批判しているとのことです。

「『慰安婦』問題 日本政府に批判続く」(しんぶん赤旗、10日)

ある女子軍属の写真

朝日新聞大阪本社版では、連載中のシリーズ「写真が語る戦争」で、
読者から寄せられた戦前・戦中の写真を掲載しています。昨日の紙面
に、見覚えのある写真があったので、確かめてみますと、昨年7月ご
紹介しましたウェブサイト「南京は我が青春の故郷なり -女子軍属の見た支那派遣軍総司令部-」の中の1枚でした。

この記事のうち、その部分の切抜きを下記にアップしました。
http://www.rose.sannet.ne.jp/nishiha/kirinuki/asahi070310-2.htm

記事には、<敗戦後、女子軍属らは、一番最初に帰国するよう手配さ
れた。上官は「南京で虐殺事件があった。仕返しの恐れがある」と説
明したという。>と書かれています。

このことは、サイトには書かれていませんでしたので、写真のご本人
に確認したところ、やはり事実とのことです。南京虐殺があったとい
うことは、当時の軍幹部には常識であったことがうかがえます。

東京大空襲を語り継ぐつどい

昨日の「東京大空襲の日」、もう62年も経つと、マスメディアでも
あまり話題にならなくなりましたが、インターネット新聞JANJ
ANが、昨日行われた「東京大空襲を語り継ぐつどい」のことを伝
えています。

東京大空襲・戦災資料センターセンターの館長の早乙女勝元さんが、
東京大空襲と関東大震災を混同していた若者の例を挙げ、「かたや人
災、かたや天災なのに。若者にとって平和は空気のようなものになっ
ている」と述べているのが印象的です。

3月10日を忘れない~東京大空襲を語り継ぐつどい

従軍慰安婦問題、米でも大きな波紋

従軍慰安婦をめぐる米下院決議に関連して、シーファー駐日米大使は
昨日、「河野官房長官談話から後退すれば破壊的な影響を与える」と
述べ、米政府として事態を憂慮していることを明らかにしました。

このようにこの問題は、アメリカでも波紋を広げているようです。今
朝の朝日、産経両紙はワシントン特派員のレポートを大きく掲載し、
また社説でも採りあげています。

朝日は日米関係にとってこの問題は、「牛肉輸入問題や沖縄の基地問
題より危ない」といった意見を引用しています。

「安倍首相の慰安婦問題発言 米国で止まらぬ波紋

産経は公聴会で証言したオランダ人元慰安婦のケースは、軍上層部の
方針に逆らった末端の将兵が勝手に連行しもので、彼らは戦後の軍事
裁判で死刑を含む厳刑に処されており、今回の日本非難はすでに責任
のとられた案件の蒸し返しと述べています。

対日非難は蒸し返し オランダ女性の事例 末端将兵の行為

今日の各紙の社説をご紹介します。

慰安婦問題―国家の品格が問われる」(朝日)
< 細かな事実にこだわって弁明ばかりするよりも、民族や女性の人
権問題ととらえ、自らの歴史に向き合う。それこそが品格ある国家の
姿ではないか。>

慰安婦問題 偽史の放置は禍根を残す」(産経)
< その意味で、安倍晋三首相が国会で「官憲による強制的連行があ
ったと証明する証拠はない」と答弁したのは、事実に誠実に向き合っ
た結果であろう。米下院公聴会で証言した韓国人女性は、国民服の日
本人男性に売春を強要されたと証言したが、日本軍に強制的に連行さ
れたとは述べていない。>

慰安婦問題 再調査するなら徹底して」(信濃毎日)
<  再調査をするなら、科学的で批判に耐えうる手法と内容が要る。
そうでないと、国際的な反発を買い、外交的な痛手となる恐れが強い。


産経の社説は、昨日の桜井よしこ氏の寄稿文と同じく、公聴会の韓国
人女性の証言から、軍による強制連行はなかったと述べているが、オ
ランダ人女性の証言には触れていません。60年前の断罪で、この事実
はなかったものになったと考えているのでしょうか?

元侍従の日記

昨日ご紹介しました、昭和天皇の侍従であった小倉庫次の日記につい
て、今日の毎日新聞のコラム「余禄」と読売新聞の「編集手帳」が書
いています。

東京大空襲

今日は、一夜で約10万人の命が奪われたとされる東京大空襲から、62
年目に当たります。

東京大空襲の犠牲者氏名の記録などの活動をしています「東京空襲犠
牲者遺族会」のサイトを「戦争を語り継ごう -リンク集-」に掲載
しましたので、ご覧ください。

東京空襲犠牲者遺族会
東京大空襲に関する資料や体験記がある

東京空襲犠牲者遺族会も支援しています、東京大空襲の被害者や遺族
による、国に対し損害賠償と謝罪を求める集団訴訟が、昨日提訴され
ました。

東京大空襲:被害者、遺族ら国提訴 12億円の賠償請求」(毎日、
9日)

今朝の朝日新聞のコラム「天声人語」は、この訴訟のことを取り上げ
ています。

従軍慰安婦問題に関するニュース

従軍慰安婦問題に関するニュースをまとめてご紹介します。

(1)「河野談話」の再調査について、昨日は政府と自民党が共同で
行うと一部で報道されましたが、その後安倍首相は、再調査は「自民
党が行う」と記者団に述べ、政府による再調査を否定しました。

慰安婦問題:河野談話の事実関係『党が再調査』と首相」(毎日、
8日)

(2)ニューヨーク・タイムズは、慰安婦問題を1面で採り上げ、当
局による強制を裏付ける証拠はないとする安倍首相の一連の発言を批
判しています。

米紙 慰安婦問題で首相再批判」(NHK、9日)

8日付けのNYタイムズの記事です。

Denial Reopens Wounds of Japan's Ex-Sex Slaves

今日の「産経抄」は、NYタイムズの記事について、<少々時代に遅
れた人々はこの新聞を高級紙とありがたがっているようだが、誤報や
捏造(ねつぞう)記事が載ることも少なくない>と書いています。

(3)米下院の対日決議案が、「安倍首相の重大な発言」で情勢は劇
的に変わり、3月末までに外交委員会で投票にかけられる見通しとな
ったようです。まさに火に油を注いだ結果となりました。

「米下院外交委、慰安婦決議案を月内採択…小委長見通し」(読売、
9日)
米『慰安婦』決議案 安倍発言で審議加速」(しんぶん赤旗、9日)

(4)民主党の有志議員らが9日、「慰安婦問題と南京事件の真実を検
証する会」を発足させました。「公権力による強制連行の事実はなか
った」との認識を盛り込んだ新たな見解を発表するよう政府に働きか
けていく方針だそうです。

民主、慰安婦問題・南京事件検証する会を発足」(産経、9日)

(5)今日の社説

従軍慰安婦 誤解なきメッセージを」(中国)
際立つ首相発言・急がずていねいな説明を」(琉球新報)

戦時下の元侍従の日記見つかる

今朝の朝日新聞から、

< 太平洋戦争開戦前夜から敗戦まで昭和天皇の侍従として仕えた故
小倉庫次(くらじ)・元東京都立大学法経学部長の日記がこのほど見
つかった。「支那事変はやり度(た)くなかつた」「戦争は始めたら
徹底してやらねばならぬ」などと、戦時下の天皇が側近にもらした貴
重な肉声が記録されている。>

以下は下記URLでお読みください。

昭和天皇の戦時の肉声、元侍従の日記見つかる
戦局・家族…素顔の天皇 元侍従の日記から

慰安婦の強制連行はなかったか?

安倍首相は国会で、従軍慰安婦の強制連行について、狭義の強制性を
「官憲が家に押し入って、人さらいのごとく連れて行く」行為と定義
し、「慰安婦狩りのような官憲による強制連行的なものがあったと証
明する証言はない」と答弁しました。

しかし一昨日ご紹介しました、米下院の公聴会におけるオランダ人元
慰安婦の証言は、明らかに旧帝国陸軍による「強制連行」というべき
でしょう。

昨日の産経新聞に、桜井よしこ氏がこの公聴会のもう1人の証人であ
る韓国人元慰安婦の証言のことを書いています。その女性は民間の慰
安所の主人の甘言に釣られ、慰安所へ連れて行かれ、無理やり慰安婦
にされたそうです。

桜井氏は、女性としてはたいへん腹立たしいことだが、それは民間業
者がやったことなので、軍や官憲による強制連行ではないと書いてい
ます。そしてオランダ人元慰安婦のことにはぜんぜん触れていません。

安倍首相は、今日「必要に応じて調査する」と述べ、事実関係の再調
査に協力する姿勢を示したとのことですが、このオランダ女性の証言
やら、韓国人の元慰安婦が京都で200人の学生に語った以下のような
証言も調査すべきでしょう。

<ある日、友達が来て「川のところにヨモギを取りに行こう」と言い
ました。それでヨモギをたくさんとって、川の砂のところに隠してお
いて、タニシという貝類を採っていました。その時、堤防のほうで、
軍服を着た人と、白い服を着た人2人が、私たちのところを指差して、
何かを話していました。それで私はとても怖くて、その時採った貝や
ヨモギなどを全部捨てて、堤防の方に上がって、その時父はいなかっ
たのですが、まるで一緒にいるように「お父さん、一緒に行こう。一
緒に行こう」と叫びました。堤防に上がりながら見ると、軍服を着た
人が、友達がいるところに向かっていました。その時私は、 何が起
きたのかもわからず、私は何も考えず走って家に帰ったんです。

その後1ヵ月か2ヵ月が経った頃でしょうか。私たちの家はわらぶき屋
根だったのですが、その家の裏に小さい道があって、その道に向けて
小さい丸い窓がありました。

私はいつも母と一緒に寝ていたのですが、ある日の夜寝ていたら、
コソコソと音が聞こえました。起きて見てみたら、ある女性が首のほ
うに何かを突きつけられながら、こちらを覗いていました。それでそ
こをよく見てみたら、帽子を深くかぶった軍人が立っていました。そ
の女性が、私を見て何も言わずに手振りで私を呼んでいたので、私は
怖くなり、部屋を出て外の居間のところで座っていました。するとそ
の女性と軍人が一緒に居間まで入ってきて、その女性が片手で私の肩
を抱いて、もうひとつの手で口を塞いで私を連れて行きました。その
時軍人が、私の背中に何かを突きつけていました。そういう風に私は
連れ去られていきました。>

これはまさに「人さらい」ですね。拉致当時16歳だった彼女は、それ
から台湾へ連れて行かれ、新竹で特攻隊員相手の慰安婦をさせられて
いたようです。

彼女は証言の最後にこう述べています。

< 北朝鮮が、日本人を拉致したと言ってものすごい騒ぎがあったで
しょう。それも勿論間違った事です。可哀想です。だから先にですね、
昔数十万人を連れて行って性奴隷にしたその罪を認めて、反省して、
それから北朝鮮を相手取ってやりなさい。それが筋だと思います。
(中略)
日本の政府や、罪は憎いけれども、人間は絶対に憎くないです。愛
していますので、皆様一緒に頑張りましょう。日本政府が早く解決を
するように。ありがとうございました。>

元日本軍『慰安婦』 学生二百人を前に証言集会

従軍慰安婦問題に関する社説

従軍慰安婦問題での安倍発言について、琉球新報、朝日、読売、産経
に続いて、今日は毎日と北海道が社説を掲載しています。昨日の宮崎
日日と併せてご紹介します。

「『従軍慰安婦』問題 『河野談話』の継承は当然だ」(毎日)
< 安倍首相をはじめ日本の政治家がやるべきことは、明白だ。米下
院での決議案を成立させないためにも、近隣諸国の懸念を払しょくす
るにも、従軍慰安婦問題で謝罪してきたわが国の立場をていねいに説
明することだ。安倍首相は「主張する外交」を掲げるが、主張の結果
は、国益に合致したものでなくてはならないはずだ。>

従軍慰安婦*疑心を招く首相の言葉」(北海道)
< 首相は「河野談話は継承する」と繰り返す。だがその言葉が説得
力を持つのは、元慰安婦たちの心身に癒やしがたい傷を負わせた行為
を心から反省し謝罪するという、談話の精神を受け継いでこそだ。>

右旋回の慰安婦問題」(宮崎日日、7日)
< 中山成彬・元文科相が会長を務める「日本の前途と歴史教育を考
える議員の会」は「軍や官憲による強制連行はなかった」と河野談話
の見直しを政府に求めている。かつて「強制性について検証する文書
は出てきていない」と述べた首相は賛同にやまやまだろう . >

「ダモイ」と「落葉帰根」

今朝の朝日新聞の「私の視点」に、俳人の金箱戈止夫氏が「戦後体制
 民主主義の根幹に揺らぎ」という見出しで投稿しています。

不意に湧くダモイという語リラ咲けり
枯木槿「落葉帰根」の声はるか

俳句に託して、戦後のシベリア抑留と戦時中の朝鮮人労務者強制連行、
さらには北朝鮮による拉致問題を論じ、いずれも自国の労働力不足を
他国民で強制的に補うものであったと言っています。連行された朝鮮
人の死亡者はシベリア被抑留者のそれに匹敵するとか。

そして<国のために民があるのではなく、民のために国がある。戦後
体制を見直すというとき、その根幹だけは忘れないでほしい。>と結
んでいます。

大日本帝国、ソ連、北朝鮮、いずれも全体主義体制の国です。そこで
は「滅私奉公」、国のために民があるのです。安倍首相の提唱する、
戦後体制を脱却した「美しい国」とは一体どんな国でしょうか?

中山夫妻の場合

昨日と今日の2回にわたり、韓国・朝鮮日報のコラムに、東京特派員
が「中山夫妻の場合」という文を書いています。中山夫妻というのは、
元文部科学大臣の中山成彬氏と首相補佐官の中山恭子氏のことです。

成彬氏は、今「河野談話」の見直しを唱えている「日本の前途と歴史
教育を考える議員の会」の会長で、恭子氏はご存じのとおり拉致問題
のキーパーソンです。

そして記事はこう結んでいます。

<夫は自国の拉致犯罪を懸命に否定し、妻は北朝鮮の拉致犯罪を懸命
に世に知らしめている。このような二律背反が現在の日本の姿だ。そ
してこれを日本の指導層だけが理解していないのだ。>

中山夫妻の場合(上)
中山夫妻の場合(下)

慰安婦問題 NYタイムズ社説の日本語訳

先の書き込みでご紹介しました、従軍慰安婦に関する、6日付ニュー
ヨークタイムズの社説の日本語訳が、今日の韓国・朝鮮日報に掲載さ
れていますので、ご紹介します。

慰安婦:過ち認めるのが克服の第1歩=NYタイムズ

従軍慰安婦問題に関する内外紙の社説

従軍慰安婦問題に関する安倍発言に対しては、韓国、北朝鮮に続き、
中国、台湾、フィリピンの政府筋からも批判の声が出ています。

また昨日のニューヨークタイムズとロスアンゼルスタイムズおよび今
日の韓国・中央日報は、社説で一連の安倍首相の発言を批判していま
す。

No Comfort 」( New York Times )
<首相は傷ついた日本の国際的な声望を修復するよりも、あの恥ず
べき行為が民間の営利活動だったとする自民党内右派にすり寄ってい
るようだ。>(産経の訳文による)

Japan can't dodge this shame 」( Los Angeles Times)
< 膨大な歴史的記録を否定した首相の発言によって被害者はさらな
る苦しみを味わった。>(毎日の訳文による)

言葉遊びで慰安婦の責任逃れられない」(中央日報)
< 考えれば考えるほど道理に外れていると感じる。「従軍慰安婦を
強制動員した」と潔く認めればよいものを、なぜ「広義の強制性」と
「狭義の強制性」にわざわざ分けて一方を否認するか。慰安婦強制動
員の事実を認めた1993年の河野談話を受け継ぐのだというのなら
受け継げばいいのであって「基本的に受け継ぐ」などと一言多いのは
どうしてか。一国のリーダーとしてこんな語法が恥ずかしくもないの
か。根本的に従軍慰安婦に対する安倍晋三日本首相の認識自体に大き
な問題があると我々は判断する。>

これに対し今日の読売と産経の社説は、“狭義”の強制はなかったと
する立場から、「河野談話」を見直すべきと主張しています。

「[慰安婦問題]核心をそらして議論するな」(読売)
< 自民党の有志議員らは、談話のあいまいな表現が、誤解を生む原
因になっているとして見直しを検討中だ。米下院の決議案は、「談話
の内容を薄めたり、撤回したりする」ものとして、こうした動きをけ
ん制している。しかし、不正確な談話を見直すのは当然のことだろ
う。>

慰安婦決議案 一時しのぎのツケがきた」(産経)
< いま河野談話の全面見直しを言えば、逆に反日的な勢力に誇大解
釈、反日宣伝の材料にされかねない-との判断もあるだろう。日本の
名誉回復には時間と忍耐と並んで、歴史の事実に基づいて、きちんと
慰安婦問題の真実を訴える勇気が必要なのではないか。>

しかし「河野談話」の見直しを求めていた自民党の「日本の前途と歴
史教育を考える議員の会」は、板ばさみ状態になっている安倍首相の
立場を考慮して、見直し要求を撤回したようです。

慰安婦問題:河野談話見直し求めず 自民・歴史考える会

オランダ人元慰安婦の証言

去る2月15日、米下院の公聴会で証言したオランダ人元慰安婦、ジャ
ン・ラフ・オヘルンさん(84)の証言の日本語訳が下記ブログにあり
ます。

「『日本人を許す、しかし決して忘れない』『安部首相は公式謝罪を』
 オランダ人『従軍慰安婦』、米下院公聴会で証言


彼女は19歳だった1942年、ジャワに侵攻してきた日本軍によって、他
のオランダ人婦女子数千人と共に収容所へ入れられました。そして
1944年、17歳以上のすべての独身女性が集められ、その中から選別さ
れた10名の内の1人となりました。

この女性らは日本軍のトラックに乗せられ、サマランの町の、オラン
ダの植民者の大きな住宅に連れて行かれました。そこは売春宿で、そ
して彼女たちは日本軍将校にレイプされた後、慰安婦とされました。

彼女は述べています。
< 日本人は誰ひとりとして、わたしの抵抗を受けずにわたしをレイ
プできませんでした。わたしは全員と闘いました。そのため、わたし
は繰り返し殴打されました。いわゆる「慰安所( Comfort Station )」
でわたしは日夜、組織的な殴打とレイプを受けていたのです。わたし
たちの性病を検査に来る日本人の軍医たちも、毎回かならずわたしを
レイプしました。それどころかわたしたちをさらに辱めるため、検査
の最中、ドアを開け放しにして、検査されているわたしたちの姿を日
本人たちに見せたのです。>

彼女たちは日本軍により強制収容所に入れられており、軍の管理下に
ありました。そして軍のトラックにより連行されました。これが「強
制連行」ではないと誰がいえましょうか。

しかもこの慰安所は、軍の管理下に置かれていたようです。民間経営
の慰安所に、お金目当てで身を売った慰安婦もたくさんいたことでし
ょうが、このケースはまったく違います。

安倍首相は、米下院での決議案は事実誤認があり、公聴会の証言もあ
たかも嘘のような答弁をしました。彼はこの証言を読んでいるのでし
ょうか? もしオランダ政府から抗議されたら、どう答えるのでしょ
う。

インパール四部作を読んで

かつて、MLで推薦された高木俊郎著のインパール四部作―「インパ
ール」「抗命 インパ―ル作戦・烈師団長発狂す」「憤死 インパ―
ル作戦・痛根の祭師団参謀長」「全滅 インパ―ル作戦・戦車支隊の
最期」を、病床でやっと読みました。

読み終わって、こういう帝国陸軍史上最悪といわれる作戦に、私の義
父などが、命を賭けて戦わさせられたのかと、今更ながら暗然たる気
持ちになりました。

高木俊郎はインパール作戦の問題点として、「白兵戦の重視」と「兵
站の軽視」を挙げていますが、しかしこれは何もインパールに限った
ことでなく、太平洋戦争全体を通じての構造的な問題点で、インパー
ルではとくにそれが端的に現われたのだと思います。

日露戦争以来の「白兵戦の重視」は、物量に劣る中国軍相手の中国戦
争では成功しましたが、物量に圧倒的に優る米英軍相手の南方戦線で
は、その成功体験はまったく逆の結果となりました。高木の云うよう
に、それはまさしく「大和魂」と「物量」の戦いでした。

また「兵坦の軽視」すなわち現地調達主義は、主として肥沃な農村地
帯で戦った中国戦線では成功しましたが、密林や孤島での戦いでは、
敵の弾丸による戦死者よりもはるかに多い餓死者を生じました。

こういう愚かな作戦を、功名心に駆られて強行した牟田口廉也司令官
が、陣中で訓示を行った部分を引用しておきます。

< しばらく待たされていると、軍司令官が出て来た。そして、ある
いは激しく、あるいは悲痛な声をあげ、時には涙声さえまじえて、山
上の垂訓ならぬ訓示を始めたのである。

「諸君、佐藤烈兵団長は、軍命に背きコヒマ方面の戦線を放棄した。
食う物がないから戦争は出来んと言って勝手に退りよった。これが皇
軍か。皇軍は食う物がなくても戦いをしなけれぱならないのだ。兵器
がない、やれ弾丸がない、食う物がないなどは戦いを放棄する理由に
はならぬ。弾丸がなかったら銃剣があるじゃないか。銃剣がなくなれ
ば、腕で行くんじゃ。腕もなくなったら足で蹴れ。足もやられたら口
で噛みついて行け。日本男子には大和魂があるということを忘れちゃ
いかん。日本は神州である。神々が守って下さる。毛唐の奴ばらに日
本が負けるものか。絶対に負けやせん。必勝の信念をもってやれ。食
物がなくても命のある隈りやり抜くんじゃ。神州は不滅であることを
忘れちゃいかん」

この声涙共にくだる一時間余りの長広舌のため、あちらでも、こち
らでも脳貧血を起して卒倒する者が続出した。高橋、薄井の両参謀も
倒れた。それでも彼はいっこうに山上の迷言狂訓をやめようとはしな
かった。神州不滅論も時により結構だが、栄養失調の私達将校には立
って居ること自体が懸命の努力なのである。大尉以下の下級者には、
人間が食うような物は何一つ当らないのだ。ようやくにして訓示も終
り、彼は専属副官を従えて軍司令官宿舎の方へ帰って行った。私達は
救われた思いで、それぞれの瀬降りへ帰ったのである。>

高木俊郎「抗命 インパール作戦―烈師団長発狂す」(文芸春秋、
1966)P248

従軍慰安婦問題、安倍発言について

昨日の参院予算委員会の中継録画を見ますと、新聞、テレビでは報じ
ていない部分も視聴できます。安倍首相は、米下院における元慰安婦
の証言は、かの吉田清次氏と同じく事実誤認であるかのような答弁を
しています。

もしこの部分が世界に報じられたら、日本政府にとって事態はますま
す悪くなることでしょう。

中継録画は下記URLでご覧になれます。小川敏夫議員 ( 民主 ) の
質問部分の経過時間1時間2分~16分をご覧ください。

参議院インターネット中継

またこの録画を観ますと、民主党の小川議員の質問に対し、安倍首相
が「小川委員は、戦後60年自由と民主主義、基本的人権を守ってきた
日本の歩みを貶(おとし)めようとしている」といった答弁をして、
審議が一時中断しています。

この「貶める」という言葉は、安倍首相の取り巻きのネオコンたちが
よく用いる「反日」「自虐」などと同義語のように聞こえました。首
相もいよいよ本性を表してきたようですね。

しかし小川議員が「貶め」ているのは戦時中の“大日本帝国”であっ
て、戦後の“日本国”ではないと思います。「戦後体制からの脱却」
をスローガンとしている首相のほうが、むしろ戦後日本の歩みを「貶
め」ているのではないでしょうか?

安倍首相は昨夜の記者会見で再び、「日本は深刻な反省の中から自由
と民主主義、基本的人権を守って国際的な地位も築き、信頼も得てい
る。戦後60年の日本の歩みに対し、世界が高い評価をしている」と語
りました。

戦後の歩み世界が評価=安倍首相」(時事通信)

国内向けには戦後体制からの脱却を掲げ、対外的には現行憲法を守っ
てきた戦後の日本を誇示する、この二面性の矛盾がだんだん露呈して
きた感があります。

今日の韓国・朝鮮日報の社説も、この安倍答弁を批判しています。

背筋寒くなる安倍首相のアジア蔑視
< 安倍首相は5日、自身の発言を批判する野党議員に対し「あなた
は日本を見下げているのか」と受け答えた。しかしアジアを見下す彼
の態度には、むしろアジアを侵略した100年前の日本の態度、いやア
ジアの女性を性的奴隷として戦場に連行した70年前の日本の官憲や官
営業者に対するのと同じくらい、背筋が寒くなるものを感じた。>


その他、この問題に関する日韓の新聞の社説をご紹介します。

ついに本性を現わした安倍首相」(東亜日報、5日)
<就任数ヵ月も経たない安倍首相が本性を現わしたことに対し、日本
内では「政治生命がかかった7月の参院選挙を控え、右翼性向の票を
結集させようという意図」のためだという分析も出ている。しかし、
その時々の利害によって信義を捨て去り豹変する行動が続く限り、日
本は周辺国から尊敬される大国にはなれない。>

「『慰安婦』発言 いらぬ誤解を招くまい」(朝日、6日)
< 首相の一言が大きな波紋を呼んだのは、首相自身がかつて河野談
話を批判する議員グループの先頭に立ってきた過去があるからだ。>

従軍慰安婦問題、安倍発言についての社説

従軍慰安婦問題に関する安倍発言については、アメリカだけでなく、
その後北朝鮮、台湾、中国などでも報じられ、批判の声が上がってい
ますが、韓国では3日の中央日報に引き続き、今日の朝鮮日報が社説
で採りあげています。

「『第2の小泉』の道を進む安倍首相
< 安倍首相は就任直後の昨年10月、議会で「慰安婦問題は政府の公
式的な立場(である河野談話)を継承する」としていた。安倍政権の
発足に懸念を抱いていた韓国や中国などのアジアの国々も、その言葉
を信じ、新たな韓日関係、中日関係が作られることを望んだ。しかし、
それからわずか5カ月後、安倍首相がまたも妄言の口火を切った。>

一方日本では、今日の琉球新報が唯一このテーマを社説で採りあげて
います。

首相発言・教訓に『敏感』でありたい
< 麻生太郎外相は国会で「客観的事実に全く基づいてなく、甚だ遺
憾」と発言した。首相発言も、その延長にあるとの見方が韓国では支
配的だ。従軍慰安婦の存在は歴史的事実である。本人の意思に反し、
心身に癒やしがたい苦痛を負わされた人々がいたのはアジアの国々も
指摘している。軍の指示はなく、業者が勝手にやったこと―という理
屈は通りにくい。>

従軍慰安婦決議案反対派の米議員が安倍発言に困惑

「河野談話」を否決するがごとき最近の安倍首相の発言により、アメ
リカ議会における従軍慰安婦決議案に反対する議員たちが困惑させら
れていると、今日の産経新聞は報じています。

< ところが首相の新たな言明が、河野談話や従来の責任自認、謝罪
などの一切を否定するような印象で米紙で報じられるとなると、決議
案反対の米側議員も反対の根拠を否定されたような受け止め方になる。
この点でも日本側の対応には緻密(ちみつ)な配慮が求められること
となる。>
米議会、慰安婦決議案 米メディア『安倍首相 全否定』報道

この問題について世耕首相補佐官は、「河野談話」を継承する考えに
変わりないと強調し、火消しに大童のようですが、政府・自民党の一
部から出ている「河野談話」見直し論も“緻密な配慮”がなされるの
でしょうか?

従軍慰安婦問題と北朝鮮による人権問題

アメリカ民主党のラントス下院外交委員長は、6カ国協議で北朝鮮の
人権問題も提起すべきだと、政府に迫りました。同委員長はまた「慰
安婦決議案」も積極的に支持しています。

このようにアメリカの議会で、「従軍慰安婦問題」と「北朝鮮の人権
問題」が同時に話題になっていることについて、次のような感想を持
ちました。

戦争体験世代の多くは、今の北朝鮮にかつての大日本帝国を見る思い
がするといいます。私もその一人です。全体主義国家では人権よりも
国家が優先されますが、この二つの問題はその例といえます。

アメリカさんは、自国のことを棚に上げて、他の国の人権問題にお節
介するきらいがありますが、世界の民主主義国では、従軍慰安婦問題
も北朝鮮の人権問題も、ともに指弾すべきものというのは常識でしょ
う。

日本では、従軍慰安婦問題で当時の大日本帝国を擁護する一部の人た
ちが、人権問題で北朝鮮を強く非難していますが、これには矛盾を感
じざるを得ません。

中曽根元首相が慰安所を設営?

昨日の産経新聞は、ワシントン特派員からのレポートで、米下院の従
軍慰安婦の公聴会における議員や証人の発言を紹介しています。その
中に次のような発言がありました。

<日本軍当局が慰安婦運営に直接、かかわったことを示す証拠として
中曽根康弘元首相の回顧録を提出する。中曽根氏はそのなかで東イン
ド諸島での慰安所開設の様子を詳述している。>

「【緯度経度】ワシントン・古森義久 『慰安婦』糾弾の正確度は

ネットで調べてみますと、中曽根氏の回顧録には次のように書かれて
いるとのことです。ちなみに同氏は戦争中、海軍主計士官としてイン
ドネシアに赴任していました。

「三千人からの大部隊だ。やがて、原住民の女を襲うものやバクチに
ふけるものも出てきた。そんなかれらのために、私は苦心して、慰安
所をつくってやったこともある。かれらは、ちょうど、たらいのなか
にひしめくイモであった。」(松浦敬紀『終わりなき海軍』文化放送
開発センター出版局、72ページ)

慰安所の場所はボルネオ島バリクパパンである可能性が高く、 しか
も強制に近い現地徴集が行われていたとの噂もあるようです。戦争を
知らない安倍さんは、大先輩によく教えてもらったらどうでしょう?

従軍慰安婦に関する安倍発言を韓国が批判

韓国の宋旻淳外交通商相は2日、安倍首相が従軍慰安婦問題で「強制
性を裏付ける証拠がなかったのは事実だ」と述べたことについて、
「より健全かつ未来志向的な韓国と日本の関係構築を目指して共同努
力を行っていく上で、有益でない」と批判しました。

今日の韓国・中央日報も、社説でこの安倍発言を批判しています。

従軍慰安婦を否認した安倍首相の妄言
<  安倍晋三日本首相がおととい、太平洋戦争当時、日本政府・軍
隊の従軍慰安婦強制動員を否認する妄言を言った。彼が10年前、主
導して作った自民党内右翼性向議員団体もこの日、同じ主張をした。
日本政・官界でもこんな雰囲気が拡散しているという。おとといは
3.1節だった。こんな日、被害者の傷を撫でるどころか塩をまく日
本指導層の非道徳性に絶望を感じる。これでも韓日間の友情を言える
か。>

品川正治氏の講演 -戦争体験と憲法問題 -

今朝の朝日新聞(大阪本社版)経済面のトップに、経済同友会終身幹
事の品川正治氏(元日本火災社長)が、最近自身の戦争体験を原点に、
「憲法改正反対」や「市場万能主義否定」を主張し、政財界に苦言
を呈していることが紹介されています。

品川氏は1924年生まれ、旧制三高在学中の44年12月に応召し、一兵卒
として中国戦線で戦い、今なお砲弾の破片が右ひざに埋まっているそ
うです。

<終戦から9カ月後、復員する船中で、新憲法の草案を新聞で読んだ。
仲間と抱き合って泣いた。「二度と戦争をしないことを宣言した世界
で唯一の憲法だ」。生涯の「原点」を、戦争体験の中で身に刻んだ>

これを読んで、当時の元軍国少年にとっても、いかに新憲法が輝かし
いものであったかを思い出しました。元兵士たちもそうであったかと、
たいへん感動しました。

下記サイトに、品川氏が戦争体験や憲法問題について語った講演の記
録がありますので、お読みください。

品川正治さん講演会

日中歴史共同研究成功への3原則

既報のように、昨年末から日中歴史共同研究が始まりましたが、その
委員の一人である大阪大学大学院教授・坂元一哉氏が、今日の産経
新聞のコラム「正論」に、「日中歴史共同研究成功への3原則」という
文章を書いていますので、ご紹介します。

<第1は問題の解決には「相互の努力が必要」という原則である。>
<2つ目の原則は「歴史の相対化を受け入れる」ことである。>
<3つ目の原則は問題を「総合的にとらえる」ことである>
http://www.sankei.co.jp/ronsetsu/seiron/070303/srn070303000.htm

正しい歴史認識にはまず事実を知ること

朝日新聞では年間企画として「歴史と向き合う」を連載してきました
が、昨1日で終了しました。最終回のである「エピローグ」の中に次
のような一節がありました。

< 歴史を巡る議論でしばしば陥りやすいのが、こちらはすべて正し
く、相手は全く間違っていると二元論だ。
「戦前の日本は悪だった。国民はみんな加担していた」「自虐史観は
やめろ。あれはアジア解放のための戦争だ」といった具合だ。だがお
よそ現実社会では、一方だけが完全に正しいということはあまりない。
それでも相手を頭から否定しさる傾向は、戦争の体験者が減るに連れ
て強まっている。>

戦争の歴史を正しく認識するには、まず「事実」を知ることだ、それ
も、一人二人の体験を知るだけではダメだ、そのためにはできるだけ
多くの人の体験や資料を集めること、という思いで、「戦争を語り継
ごう -リンク集-」「戦争を語り継ごうML」を立ち上げてきまし
た。

戦争の体験者がますます少なくなっていく折から、こういう活動はま
すます重要になっていくと思います。今後ともご協力、ご支援をお願
いします。

「河野談話」見直しを巡る動き

米下院が審議中の、従軍慰安婦問題で日本政府に謝罪を求める決議案
をめぐり、政府・自民党内で可決阻止に向けた活動が活発化し、「河
野談話」の見直し論も出ていますが、今朝の北海道新聞はその動きを
まとめています。
日本の謝罪要求-米の従軍慰安婦決議案 可決阻止へ政府躍起」 

この記事では、<首相は昨年十月の国会答弁で、河野談話の踏襲を表
明している。ただ一日夜の記者団の質問には、踏襲には言及せず「か
つての定義である(連行の)強制性を裏付けるものはなかったのは事
実だ」と軍の直接関与が立証できていない点を強調、議連への配慮を
みせた。>とのことですが、塩崎官房長官は昨日の記者会見で「談話
を受け継いでいくのが政府の立場だ」と述べ、見直しを否定しました。
河野談話、政調会長『見直しを』官房長官『受け継ぐ』」(読売、
2日)

こうした見直し論の論拠として、「河野談話」は韓国からの強い働き
かけに対する当時の政府の妥協の産物であるとする意見が従来からあ
りますが、昨日の産経はそれを再度確認する記事を掲載しています。
河野談話 慰安婦『強制性』に韓国から働きかけ

一方今日の韓国・朝鮮日報は、見直し論は妄言であると揶揄するマン
ガを掲載しています。
「『強制連行』はなかった <とことん醜い振る舞い>

靖国神社の追悼者名簿から韓国人はずせ(韓国紙社説)

去る2月26日、 旧日本軍に徴用された韓国人の元軍属や遺族ら計11
人が、靖国神社への合祀中止を求めて、同神社と国を相手取り東京地
裁に提訴しました。

原告の一人、元軍属の金希種(キムヒジョン)さん(81)は、1944年
に日本海軍に強制動員され、サイパンで米軍の捕虜となりました。彼
は「靖国はわたしには何の意味もない場所。生きた人間を供養してい
たとは、悲惨であきれる」と述べたそうです。

今日の韓国は、この訴訟を採りあげています。

靖国神社の追悼者名簿から韓国人はずせ
< 多くの韓国人や台湾人はもちろん、一部の日本人も名簿から家族
や本人の名前をはずしたくて努力してきた。昨年、台湾と日本人たち
が同じ訴訟を日本の裁判所に起こした。生きては日帝の犠牲に遭い、
死んでは日帝を称える神社の追悼対象になったのだから当惑するのも
当然だ。それなのに靖国神社は彼らが当時は日本人だったので名簿に
含まれたらはずせないというおかしな主張をしている。日本政府は宗
教レベルの話だとこれを避けている。話にならない話だ。>

「君が代」判決についての各紙社説(続)

いわゆる「君が代」判決について、今日も引き続き各紙が社説に採り
あげています。地方紙はほとん批判的な論調のようです。


「『君が代』判決/締め付けの根拠にせずに」(神戸)
< 気になるのは、今後、この判決が教育の現場にどう反映されるか
である。
 教育基本法の改正で「愛国心」に触れた記述が初めて盛り込まれ、
教育改革論議のなかでも国の関与や権限を強めようとする流れがある
だけに、なおさらだ。>
http://www.kobe-np.co.jp/shasetsu/index.shtml


「君が代伴奏判決 異見つぶす風潮は怖い」(中国)
<  米国で子育てを経験したある大学の先生は「米国でも日本でも、
褒める教育の大切さがいわれる」という。しかし、その中身は大違い
で、日本では教師を含めたみんなと同じ意見を発表すると褒められる
が、米国ではみんなと違う意見を言うと褒められる、という。日本人
は体質的に均質化に向かう傾向があるようだ。それが背景にあったか
ら、無謀な戦争に突入したのではなかろうか。>
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200703010124.html


「強制の後ろ盾にはするな 君が代伴奏判決」(西日本)
< 最高裁の判決をいわば「後ろ盾」にして、国旗国歌を強制する動
きが強まることには強い懸念を抱かざるを得ない。>
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/column/syasetu/20070301/20070301_002.shtml


「職務命令に限界ないのか」(沖縄タイムス)
<  今回の最高裁判決はピアノ伴奏拒否に対する初の判断である。東
京地裁は昨年、国歌斉唱行為の強制は憲法一九条に違反し、許されな
いとする判決を下した。学校教育という側面から教師の「思想・良心
の自由」に一定の制約があるとしても、校長の職務命令にもおのずか
ら限界があるのではないか。>
http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20070301.html#no_1

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プロフィール

Author:西羽 潔

・1933年生まれの軍国少年OB。
・メーリングリスト「戦争を語り継ごうML」主宰。
・ウェブサイト:「戦争を語り継ごう -リンク集-」
・著書:「むかし、みんな軍国少年だった」(共著)

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