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不敬文学と呼ばれた源氏物語

今朝の朝日新聞の文化面に、「源氏物語 あちこち『削ル』」の見出
しで次のような記事が掲載されています。

< 源氏物語が不敬文学と呼ばれていた時代があった。谷崎潤一郎は
源氏物語を大きく3度にわたって現代語訳したが、昭和10年代の最初
の訳は、源氏と天皇の后との「禁断の恋」にかかわる個所を削ってい
たことで知られる。当局や校閲した国語学者山田孝雄の圧力によると
いわれるが、山田の蔵書から経過を知る書き込みが見つかった。古典
文学をも圧迫した時代を感じさせるとともに、発禁を恐れた谷崎がい
かに慎重だったかを示している。>

<戦時中の古典への圧力を研究している青山学院女子短大の小林正明
教授は「軍国主義の時代背景が、削除の一番大きい理由です。源氏物
語を不敬文学とした時代があったことを考えるきっかけにしてほしい」
と話している。>

源氏物語は、下記サイトにあるように、戦前の「小学国語読本」にも
使われていましたが、それを削除すべきとの声もあったそうです。当
時の皇国思想は「伝統と文化を尊重」するものと思っていましたが、
いいとこ取りだったのですね。

源氏物語の受難

谷崎潤一郎は、戦時中も雑誌連載中の「細雪」が、時局に合わないと
いう理由で、連載を禁止されました。当時は“非国民”とにらまれて
いたのですね。

ネットで“不敬文学”を検索しますと、大江健三郎さんの「政治少年
死す」も検出されてきました。1961年、雑誌に掲載されたこの小説は、
前年に起こった社会党・浅沼稲次郎委員長刺殺事件の犯人をモデルに
したものですが、発表直後右翼から猛烈な抗議を受け、いまだに公刊
されていません。

そういえば、最近ノーベル賞作家の大江さんを“反日”呼ばわりする
一部の人がいますが、あのいやな時代を思い出させます。
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B29搭乗員の捕虜

戦時中、三重県名張市青蓮寺で墜落して死亡したB29爆撃機の米兵
11人の追悼碑を、地元住民が建立したとのニュースがありました。

追悼碑:撃墜B29爆撃機の米兵11人を慰霊 三重・名張
(毎日、28日)


落下傘で降りてきた米兵を、住民が惨殺したという話はあちこちであ
ります。すでに死亡していた米兵の遺体を引きずりまわしたという例
もあります。当時は「鬼畜米英」と言っていましたので、米兵など人
間でないと思っている人が多かったのです。

憲兵に引き渡されても、その多くは形式的な「軍律会議」で死刑の判
決をくだし、処刑されました。こういう無法な殺害の中でも有名なの
が、九州帝大医学部によるB29搭乗員の「生体解剖事件」でしょう。
しかもその人肉まで試食してといいますから、まさに敵兵は人間とみ
なしていなかったわけです。

一方、こういう捕虜を“武士道的”に扱った司令官や、戦死したB29
搭乗員を手厚く葬った僧侶などの例もありますが、それはむしろ例外
といえましょう。戦後になって、名張のように慰霊碑を建てたり、慰
霊祭を行っている例は各地に多いようです。

日米合同の慰霊祭

当時の日本軍は、国際法違反の無差別爆撃をした飛行士を「捕虜」と
扱わず、「敵機捕獲搭乗員」と呼び、戦争犯罪容疑者とみなしていた
そうです。

そういえば、アルグレイブ刑務所でのイラン人虐待がジュネーブ条約
違反ではないかとの批判に対し、囚人は戦時捕虜でも通常の犯罪人で
もないとアメリカ政府は抗弁しています。日中戦争で、日本軍が多く
の中国兵捕虜を処刑したのも、日中戦争は“事変”であって戦争では
ないので、彼らは戦時捕虜ではないという理由からなのでしょうか?

飢えたるこどもたち (2)

暮らしの手帖 96号 特集・戦時中の暮らしの記録」(1968年8月)
掲載の「飢えたるこどもたち」から引き続き転載します。

全文を表示 »

米国で靖国を語れますか

今朝の朝日新聞のコラム「風考計」は、6月末に最後の訪米を控えた
首相に、「拝啓小泉首相殿 米国で靖国を語れますか」と呼びかけて
います。

< ところが、です。首相は就任以来、頑固に靖国参拝も繰り返して
きましたね。そのことが「民主主義の日本」のアピールではなく、
「かつての軍国主義」を擁護する行為と映る。そこに首相の分かりに
くさがあるのです。

 いや、そんな批判をするのは中国と韓国だけだと首相はおっしゃる
が、それは政府の公式レベルのこと。アジアではシンガポールのゴー
・チョクトン上級相が「日本の孤立」に警鐘を鳴らしていることで空
気が分かります。ハイド議員の書簡は格別にせよ、米国でも眉をひそ
める人が多いのをご存じありませんか。最近は知識人の発言も目につ
くではありませんか。

 靖国神社が首相の考える兵士の慰霊の場にとどまらず、過去のアジ
ア侵略や太平洋戦争を正当化する思想的支柱となっているからにほか
ありません。参拝支持の人々からは東京裁判を否定する声もしきりに
上がるだけに、外国が気にするのも当然でしょう。 >

全文は、
http://www.asahi.com/column/wakamiya/TKY200605290146.html

君が代の替え歌

今朝の産経新聞が次のように報じています。

< 卒業式、入学式での国歌斉唱が浸透するなか、「君が代」の替え
歌がインターネット上などで流布されている。「従軍慰安婦」や「戦
後補償裁判」などをモチーフにした内容だが、本来の歌詞とそっくり
同じ発音に聞こえる英語の歌詞になっているのが特徴で、はた目には
正しく歌っているかどうか見分けがつきにくい。既に国旗掲揚や国歌
斉唱に反対するグループの間で、新手のサボタージュの手段として広
がっているようだ。>

以下全文は:
「『君が代』替え歌流布 ネット上『慰安婦』主題?」

この替え歌は、次のサイトで聴くことができます。

KISS ME

先に、戦時中や旧ソ連など、全体主義の下では、替え歌やアネクドー
ト(小話)が流行ることが話題になりましたが、こういう替え歌が出
てきたとは、余り笑えませんね。

なお同じく産経の紙面には、こういう記事も載っています。

国旗・国歌 サボタージュ横行

祖父の戦争

祖父の戦争

早坂隆さんがお書きになりました「祖父の戦争」(現代書館、2005年
8月刊)を読みました。
祖父の戦争

これは早坂さんがお祖父さんから聞かれた戦争体験をまとめられたも
のですが、ふつうの単なる体験記と違って、新婚間もない東大出のイ
ンテリ青年が、一兵卒として招集され、戦争に疑問を抱きつつも、中
国戦線での白兵戦の中で思わず敵兵を狙って撃つようになるまでの、
心の葛藤が主題となっています。

祖父(私)の体験談、筆者(僕)と祖父の対話、その時代の背景の説
明、この三つがフラッシュバックしながら進むという文章構成になっ
ています。そしてそれを通じて、祖父の体験、思いが、孫に伝えられ、
一体となっていく様が如実に描かれているように思います。

まさに“語り部”と“語り継ぎ部”の合作による、新しい形での戦争
体験記といえましょう。また戦争ということを抜きにしても、祖父と
孫の人間ドラマとしても稀に見る作品と思います。

筑紫哲也氏が推薦文で、「これはよい本です。それでいて面白い」と
書いていますが、そのとおり「戦争を語り継ごう」の皆さんにもお奨
めの本です。

横浜大空襲

<一九四五(昭和二十)年三月十日の東京大空襲の惨状に隠れて、同
年五月二十九日の横浜大空襲の惨禍が取り上げられることは少ない>

と、今朝の東京新聞のコラム「筆洗」は書いています。市域の34%が
焼け野原と化し、人口の三分の一、31万人が被災、推定8千人が死亡
したとのことです。

一九四五(昭和二十)年三月十日の東京大空襲の惨状に隠れて、…」

この中にも書いてありますが、横浜市青葉区の桐蔭学園メモリアルア
カデミウムで、当時の写真約40点や東京大空襲体験者の絵約50点を含
む約250点の資料を集めた「横浜・東京大空襲展」が6月3日まで開催
されています。

http://www.cc.toin.ac.jp/MA/main/index.htm

「戦争を語り継ごう -リンク集-」に掲載しています横浜大空襲に
関するサイトです。

横浜大空襲の記録

川崎・横浜大空襲の記録

飢えたるこどもたち (1)

暮らしの手帖 96号 特集・戦時中の暮らしの記録」(1968年8月)
から、「飢えたるこどもたち」を転載します。同じような経験を持
っていますので、読んでいますと、切なくて涙が出てきそうです。
元疎開児童の皆さんも、ご経験をお寄せください。

全文を表示 »

「爆笑問題」太田光は反日?

<漫才コンビ「爆笑問題」の所属事務所(東京都杉並区)に4月、長
崎市の右翼団体「正気塾」幹部(57)が訪れ、太田光さん(41)
あての抗議文を届けていたことが26日までに、分かった。太田さん
は警備員を付け、連絡を受けた警視庁杉並署は、事務所周辺のパトロ
ールを強化した。 

「ラジオ番組で、太田さんが反日発言をしたことを非難する」との内
容だったが、実際にはそうした発言はしておらず、何者かがインター
ネット掲示板に偽って書き込んだ内容と同じだった。幹部は掲示板を
見て抗議文を届けたとみられる。>

爆笑問題・太田さんに抗議文 右翼幹部、虚偽の事実もとに」(産
経電子版、26日 11:36 )

「反日発言」とは次のブログにある、昨年9月のTBSラジオでの
“妄言”のことでしょうか?

反日反靖国 太田光TBSラジオでの妄言のまとめ

いわゆる“ネットウヨ”は、実社会ではものも言えないような連中が
サイバー空間で憂さ晴らししているだけですが、その“妄言”を真に
受けて本物の右翼が行動を起こすとは、厭な世の中ですね。

なお太田光さんは昨日から始まった朝日新聞の「私と愛国」シリーズ
に登場して、「それから教科書問題で日本は自虐的と言われるけど、
自己批判できるってことじゃないですか」と語っていますが、これも
“反日発言”でしょうか?

靖国合祀中止訴訟

昨日の靖国合祀中止訴訟の判決について、今朝の北海道新聞が社説で
採りあげています。

<裁判では、日本政府が過去の戦争の歴史からどんな教訓をくむべき
かが、外国人の訴えを通して問われていると言えよう。>

靖国合祀訴訟*歴史認識問われる判決

またこの判決についての原告たちの声、識者の意見などを毎日新聞が
伝えています。

靖国合祀中止訴訟 請求棄却受け、原告らが批判集会

愛国心教育の評価(続)

今日の毎日新聞は次のように報じています。

<「国を大切にする」などの「愛国心」表記を通知表の評価項目に盛
り込んでいる公立小学校が埼玉県で52校に上り、岩手、茨城、愛知
県にもあることが毎日新聞の全国調査で分かった。>

< ▽大田尭・東京大名誉教授(教育学) 一番の問題は、学習指導
要領が「国を愛する心情を育てる」ことを目標に挙げている点だ。愛
国の情は個々人で違っていてもよく、評価するのは不自然。心情を画
一評価することは内心の自由を侵すことになり、内面の画一化につな
がる恐れもある。教育基本法が改正されると、愛国への心情評価が合
理化されるのではないか。>

愛国心:通知表評価項目に 埼玉で52小学校、愛知も

一昨日の国会では、小泉首相が愛国心の評価に否定的な答弁をしまし
たが、今日の午前中の衆院教育基本法特別委員会でも、小坂文科相が
「内心を評価してABCとつけるのはとんでもない」と強調し、通知
表の評価で行きすぎがあれば、是正を指導する考えを示しました。

愛国心評価行き過ぎは是正 衆院特別委で文科相」(共同、26日)

Re: 愛国心教育の評価

今日夕刻のフジテレビ系のFNNニュースも、このテーマを採りあげ
ていました。

昨日国会で問題になりました福岡の小学校の通知表は、市民の反対な
どで1年で取り止めになりましたが、埼玉県の45の公立小学校で、や
はり3段階で愛国心を評価しているとのことです。

昨日国会で、小泉首相は評価については否定的な答弁をしましたが、
行田市の津田教育長は「学習指導要領に基づいて評価しているので、
とくに問題は感じておりません」と述べています。

次のサイトでニュースの内容が紹介されています。録画もご覧になれ
ます。

http://www.fnn-news.com/headlines/CONN00090652.html

靖国合祀中止訴訟、全面敗訴

旧日本軍に徴用された韓国人元軍人・軍属の遺族らが靖国神社への合
祀中止などを国に求めた訴訟で、東京地裁は今日、原告側の全面敗訴
を言い渡しました。

判決の理由は、「合祀の判断や決定は靖国神社が行っていたもの。国
と神社が一体となって戦没者を合祀したとは言えない」ということで、
合祀は国の責任ではないとのですが、靖国神社側は合祀中止を拒否し
ています。

靖国合祀中止訴訟:全面敗訴にぼうぜん…韓国人遺族ら」(毎日電
子版、5月25日)

この記事で紹介されています、韓国人原告の一人、李煕子(イヒジャ)
さんに関する記事です。

父の魂 いまだに植民地支配」(東京、05年7月18日)

李煕子さんが主演した日韓共同ドキュメンタリー映画「あんにょん・
サヨナラ」の公式サイトです。

http://www.gun-gun.jp/document.htm

愛国心教育の評価

教育基本法改定案の実質的な審議が昨日から衆院教育基本法特別委員
会で始まりました。

共産党の志位和夫氏が、福岡市の小学校で03年に使われた6年生の通
知表に「わが国の歴史や伝統を大切にし国を愛する心情をもつととも
に、平和を願う世界の中の日本人としての自覚をもとうとする」とい
う項目があり、3段階で評価されているのをどう思うかと質問したの
に対し、小泉首相は「う~ん、小学生には難しいね。あえてこういう
項目を持たなくてもいいのではないか」と答弁しました。また小坂文
科相も「子どもの内心に立ち入って評価するものではない」と答えて
います。

教育基本法改正案:愛国心教育、小泉首相『評価必要ない』」(毎
日、25日)
下記サイトで委員会の中継録画が見られます。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/video_lib3.cfm?deli_id=30810&media_type=wn

首相はその後の記者会見で「中学生も同じか」と問われたのに対し、
「そうねえ」と肯定しています。国旗国歌法の審議でも、当時の小渕
首相が「児童・生徒の内心にまで立ち至って強制しようという趣旨の
ものではない」と答弁していますが、 現実には東京都などで強制が
行われています。今の教育基本法の下でもすでに福岡のような前例が
ある「愛国心」の場合は、はたしてどうなるでしょうか?

昭子母の原爆メモリー

先ほど、「埼玉の聞き書き 被爆体験」をご紹介しましたが、同じく
埼玉県の竹本隆さんから、母上から聞かれた被爆体験記のサイトをご
紹介いただきましたので、引き続き「戦争を語り継ごう -リンク集
-」に掲載させていただきました。ぜひご覧ください。

昭子母の原爆メモリー
爆心地より約4kmの工場で被爆した、母(当時18歳)から聞いた体験

埼玉の聞き書き 被爆体験

「戦争を語り継ごう -リンク集-」に、新しく次のサイトを追加し
ましたので、ご覧ください。

埼玉の聞き書き 被爆体験
埼玉の「被爆体験聞き書き行動実行委員会」の聞き書きによる、被爆
者の体験

恒久平和調査局の設置を

民主、共産、社民の3党は23日、国立国会図書館に「恒久平和調査局」
を新設する国会図書館法改正案を衆院に提出しました。この法案の趣
旨は、民主党のウェブサイトによりますと、次のとおりです。

<法案は、先の大戦の事実に対する真相究明について、ドイツ、米国
といった諸外国と比べ、日本は真相究明の努力が不十分であったとの
観点に立ち、大戦ならびにそれに先立つ一定の時期における歴史的事
実について公正中立な立場から調査し、理解を深めることは世界の諸
国民との信頼関係の醸成を図り、国際社会における日本の名誉ある地
位の保持及び恒久平和の実現に資するとの考えで取りまとめられた>

http://www.dpj.or.jp/news/200605/20060523_06koukyuu.html

「恒久平和調査局」の設置は元々、1998年に鯨岡兵輔(自民)、鳩山
由紀夫(民主)、浜四津敏子(公明)、土井たか子(社民)、武村正
義(さきがけ)の5議員が呼びかけ人となって発足した超党派の「恒
久平和のために真相究明法の成立を目指す議員連盟」が発議したもの
です。それ以来3度も国会に法案が提出されていますが、いずれも廃
案、継続審議となっています。

今また外交面でも歴史認識の問題が重要になっているおりから、4回
目の提出となったのでしょうが、「戦争を語り継ごう」の趣旨からも
ぜひ成立させてほしいものです(といっても、まず無理でしょうが…)。

靖国参拝再考の提言を巡り、首相官邸と同友会が対立

先にご紹介しました経済同友会の提言に関し、今朝の朝日新聞に次の
ような記事が掲載されています。

< 小泉首相に靖国神社参拝の再考などを求めた経済同友会の提言を
巡り、首相官邸と同友会の対立が深まってきた。首相が「商売と政治
は別」と反論したことに、同友会の北城恪太郎代表幹事(日本IBM
会長)は23日の記者会見で「経済も含めて国の政策は決めるべきで
はないか」と再反論。この発言に対し安倍官房長官は「視野狭窄(き
ょうさく)的になってはいけない」と不快感を表明した。>

以下全文は:
http://www.asahi.com/politics/update/0523/008.html

23日の行われた北城代表幹事の記者会見の発言要旨です。

http://www.doyukai.or.jp/chairmansmsg/pressconf/2006/060523a.html

東京裁判に対する当時の国民の反応

東京裁判(極東国際軍事裁判)に対する当時の国民の反応について、
興味あるレポートが、4月30日の毎日新聞で紹介されています。

<▽吉田裕・一橋大大学院教授の話 マッカーサー司令部は、占領政
策を日本人が受け入れているか神経質になっていた。東京裁判につい
て世論調査することは、占領軍批判につながりかねないため、検閲で
本音を探るという手段を使ったのだろう。東京裁判の進行に伴って日
本人の受け取り方が変わっていったことが裏付けられ、貴重だ。当初、
国民は東京裁判を受け入れていたのだが、内容を知るにつれ疑問に思
うようになったのだろう。東条被告への好感が一時的に高まり、直後
に揺り戻しが起きたことなど興味深い。>

東京裁判:評価変遷 米軍、私信検閲で把握

一銭五厘

戦前・戦中の軍隊では、初年兵教育で古参兵が「貴様らは一銭五厘
で集められる。しかし軍馬はそうはいかない」などと言って、しご
いていました。一銭五厘というのは戦前の官製葉書の料金でした。
ちなみに軍馬1頭の買い上げ価格は500円ほどもしたそうです。

当時は徴兵制ですから、召集令状すなわち俗にいう赤紙が来れば、
誰でも兵士にならなければなりませんでした。葉書1枚で兵士が集
められるというわけです。実際には召集令状は葉書でなく、役場の
人が直接配達していたのですが、兵士の命がいかに安んじられてい
たかを象徴する言葉でした。

旧満州での従軍経験がある花森安治は、戦後創刊した「暮らしの手
帖」1970年10月号に掲載した有名な詩「見よぼくら一銭五厘の旗」
に、次のように書いています。

<星一つの二等兵のころ 教育係の軍曹
が 突如として どなった
貴様らの代わりは 一銭五厘で来る
軍馬は そうはいかんぞ>

<満州事変 支那事変 大東亜戦争
貴様らの代わりは 一銭五厘で来る と
どなられながら 一銭五厘は戦場をくた
くたになって歩いた へとへとになって
眠った>

「見よぼくら一銭五厘の旗」は次のサイトで読むことができます。
http://www.japanpen.or.jp/e-bungeikan/guest/pdf/hanamoriyasuji.pdf

発表されたのは1970年10月、大阪万博が開かれた年です。花森安治は、
草葉の陰で今の世の中をどう見ているのでしょうか?

新規リンクのお知らせ

「戦争を語り継ごう -リンク集-」に新しく次の2サイトを追加し
ましたので、ご覧ください。

陸軍潜水輸送艇  『まるゆ』8号艇の航跡
戦争末期、輸送用として建造された、珍しい陸軍の潜水輸送艇の艇
長の体験記

下田市の空襲
1945年10数回も行われた、静岡県下田への空襲の記録

戦争体験の発表募集(JOHA)

JOHA(Japan Oral History Association:日本オーラル・ヒストリー
学会)から、戦争体験を発表する場を設けたので、ぜひ応募してくだ
さいと、下記のような依頼がありましたので、転載します。


JOHA(Japan Oral History Association:日本オーラル・ヒストリー学
会) 第四回大会発表募集のお知らせ! 聞き取りをしている方、戦争に
興味関心のある方、締め切り間近です、ふるってお申し込み下さい。
ポスター参加もありです。
・会場    東京外国語大学(外国語学部)
・2006年9月23日(土)24日(日)募集要項は以下及びjoha.jpのHPをご
覧下さい。

*******************************
本年の大会メイン・テーマ――「戦争」と「植民地期」 
  
◆なぜ、今戦争なのか?―「戦争」や「植民地期」の<語り><記録>
<聞き取り>は、世界中で注目されています。複雑な実相や個人の
視点・心情・記憶・体験に注目する「オーラル・ヒストリー」の価
値はさらに高まり、歴史学ほか種々の分野で、聞き取り・聞き書き
・語り伝えが熱心に行われています。
◆戦争・植民地期を経験した人の高齢化が進み、当時社会的中核にあっ
た人々の体力・記憶が薄れいく時代です。経験した「当事者たち」
側に、記憶の風化の危機感や、語り残したい願いが募るなか、まさ
に「時間との勝負」でもあります。戦争・植民地期を知らぬ人間が
人口の7割を超え、次の戦争に備える言論も進む今、「何を記録と
して残すのか」は過去の整理だけではなく、現在・未来に直結する
といって過言ではないでしょう。
◆「人間」の生身の想いと向き合い、経験を聞き取り記録整理する「オ
ーラル・ヒストリー」。この時期をあらたに見つめなおし、記録を
生かす方法を考えるためにも、ぜひ、皆様の聴き取りの実践の成果
をご発表ください。
●メインテーマの参考キーワード(これに限らず発表してください。)
(1)個人の戦争・植民地期体験(兵士・市民)(2)抑留(戦中・戦後)
・動員(3)トラウマの語り・世代間戦争体験継承 (4)社会・経
済構造の変化 (5)教育・劇・芸術における戦争・植民地の経験
の再現 (6)戦争遺跡と語り (7)ジェンダー(8)記録の保存
・公開・アーカイブ・データベース化 (9)口述資料と文書史料
(10)聴き手側のケア(11)証言・語り・「事実」の信憑性をめぐ
る諸議論 (文責:中尾知代 岡山大学文学部)

発表募集要項
応募希望者の方は以下まで、お申し込み下さい。
〒100-8691 東京中央郵便局私書箱52号日本オーラル・ヒストリー
学会事務局
Mail: joralhistory-sec@fb3.so-net.ne.jp (メール申し込み可) 
●応募締め切り:平成18年5月31日(水)申し込み期限を過ぎる場合
は研究活動委員会tnaka@cc.okayama-u.ac.jp(中尾)までご連絡を。
●以下の三分野の報告・発表を募集します。
(1) メイン・テーマ分科会報告:個人報告・共同報告
(2) 自由テーマ報告:個人報告・共同報告
(3) ポスター・セッション
*自由テーマでは戦争・植民地以外の報告を受け付けます。こちらも
ふるってご応募ください。         
★ポスターセッションとは?
個人・団体の活動内容・研究成果をポスター大にまとめて発表する形式。
会場内に張り出し。ポスターのみの掲示・あるいはポスター発表者が
展示内容を説明します。(常時駐在・休憩・昼食時間のみなど自由)
小規模であればアート作品・音声映像史料も可。
★研究実践交流会では各種主題を設定し、話題提供者の発題をもとに、
聞き取りの方法や倫理などについて、実践内容を報告・検討・交換し
ます。
★原則的に応募者全員に機会を提供する予定ですが、時間の制約上、
選定が必要になる場合もあります。ホームページ参照。

麻生外相と朝鮮人と連合軍捕虜の強制労働

麻生太郎外相は先日オーストラリアを訪問し、ダウナー外相と会談
しましたが、ダウナー氏の父が太平洋戦争中日本軍の捕虜になり、
麻生炭鉱で強制労働させられていた可能性があるとの記事が、17日
のジャパン・タイムズに掲載されています。

麻生太郎はオーストラリアとの間に歴史問題を抱えている

戦時中、麻生炭坑では約200人のオーストラリア兵捕虜が働かされて
いたといいますから、その中にダウナー外相の父がいたとしても不思
議ではないですね。

下記の「強制動員真相究明 市民連帯」という韓国のサイトには、同
じジャパン・タイムズにクリストファー・リードという英国人ジャー
ナリストが書いた4月25日の記事(日本語)が紹介されています。

この中には、次のような記述もあります。

<東京のあるドイツ大使館員は匿名希望で次のように語る。家族の血
統それ自身はドイツでは個人的に不利な材料とはならないが、日本で
の麻生の行動をみると、ドイツの基準では彼は外務大臣として不適当
だとされる。>

麻生一族の恥:日本の外務大臣と朝鮮人と連合軍捕虜の強制労働

このリード氏の記事を、5月11日の英国のタイムズ紙も紹介しています。

Is Japan Lurching Right?」

下記ブログにはその日本語訳が載っています。

http://blog.goo.ne.jp/kitaryunosuke/e/a414de613b1c6911692b6ba0e4ebe003

旧陸軍の毒ガス演習の計画書発見

日中戦争期に、旧陸軍が作成した毒ガス戦に関する資料が多数見つか
ったと、今朝の朝日新聞が伝えています。

毒ガス演習、計画書発見

アナン国連総長、靖国問題に懸念

来日中のアナン国連事務総長は昨日の記者会見で、小泉首相の靖国神
社参拝問題について、「(日中・日韓間の)緊張を増してしまってい
る」として、暗に参拝中止を要請しました。

アナン国連総長、靖国問題に懸念『緊張増している』」(読売、19
日)

アナン総長はまた神崎公明党代表との会談で、「日中韓3カ国の関係
を改善しなければならないと認識している」と語りましたが、これに
ついて今日の産経新聞のコラム「産経抄」は、次のように書いて、ア
ナン発言を批判しています。

<一足先に訪問した韓国で盧武鉉大統領からよほど吹き込まれたらし
く、公明党の神崎武法代表に「アジアで日本がドイツと同じような対
応をすれば(中韓と)関係改善はできるのではないか」とお説教をた
れた。>

アナン氏が「ドイツと同じような対応を」という“お説教”をたれた
とは、産経を含めどの新聞も(電子版では)記事にしていません。18
日付の公明新聞も、「3カ国のリーダーとも関係改善を望んでいる」
と述べたとしか書いていません。

拉致を人権理のテーマに 神崎代表 PKO、イラク支援 日本の
貢献を評価 アナン総長



愛国心求める人と、国を愛する人と

国会で教育基本法改定の審議が始まりました。小泉首相は、「教員の
愛国心指導は職務」と答弁しましたが、一方で「これまでも児童生徒
の内心の自由にかかわって評価することを求めておらず、このことは
本法案により変わるものではない」と述べています。

しかし福岡県の多くの市立小学校では、02年から六年生社会科の評価
項目の一つとして「国を愛する心情」「日本人としての自覚」を3段
階で評価、通知表に記載しており、同様の評価を取り入れている公立
小学校は、03年の時点ですでに全国11府県の172校に達しています。

今日の毎日新聞のコラム「余禄」は次のように書いています。

<明治人が教育勅語によって国の安泰を託せると思ったその子らの世
代は国を滅ぼしてしまう。だがその痛恨の体験から日本人は少なくと
も二つを学んだ。一つは子弟の教育は思い通りにいかないこと。もう
一つは他人に愛国心を求める人と、国を愛する人とはまったく別だと
いうことだ。>
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/yoroku/

戦前・戦中の道徳の中心は“忠孝”でした。「天皇に忠」ということ
は国家によってこれでもかというほど教え込まれましたが、「親に孝」
という教育を親から受けた憶えはありません。わが子にも、「親に孝
行せよ」と教育した憶えはありませんが、豚児たちも親不孝者に育っ
たとは思っていません。

麻生外相、靖国神社を非宗教法人に

<麻生太郎外相は16日、東京都内で講演し、小泉純一郎首相の靖国
神社参拝問題について「国家の英霊を祭るという大事なことを一宗教
法人に任せているところに問題があるのではないか」と指摘した。同
神社の非宗教法人化を視野に第二次世界大戦のA級戦犯の分祀方法を
検討する考えを示唆したものとみられる。>

以下全文は、
<麻生外相>靖国神社、非宗教法人化を視野に検討を」(毎日、17
日)

A級戦犯の分祀については、最近も中曽根元首相、中川自民党政調会
長、古賀遺族会長、小沢民社党代表などが提唱していますが、麻生氏
の「誰が首相になろうとも、政府が靖国神社に対して分祀しろなどと
いうのは国家権力の宗教に対する介入だ」という発言は正論だと思い
ます。

麻生氏の意図は、99年に時の野中官房長官が個人的に提案した靖国神
社の特殊法人化と同じような趣旨と思われますが、これは同神社を信
仰の対象とする多くの人たちや、また戦前のような国営化に反対する
立場の人たち、そしてなによりも国家神道の伝統を堅く守っている神
社自体の反対で、実現はきわめて困難と思われます。

諸外国の反対がなく、「天皇陛下も参拝できるよう」という趣旨であ
れば、今検討中の無宗教の国立戦没者追悼施設こそ検討されるべきで
しょう。

米下院委員長の靖国懸念見解

一昨日の朝日新聞に掲載されました、「米下院のハイド外交委員長が
小泉首相の米議会での演説を実現するには、靖国神社を参拝しないこ
とを表明しておく必要があるとの考えを示した」とのニュースについ
て、今日の韓国・朝鮮日報が社説で論評しています。

<今や小泉首相も、日本が戦争に負け、アジア諸国が日本の帝国主義
の圧政から解放された8月15日に靖国を参拝するという恥知らずな計
画を撤回すべきだ。そうしなければ、小泉首相はアジアだけでなく国
際社会全体において日本を孤立させた首相として記憶されるだろう>

小泉首相の靖国参拝に待ったをかけた米国

昨日ラジオを聞いていましたら、吉本興業のある芸人がこのニュース
を聞いて、「えっ、アメリカも反対するの、なぜ? こないだ訪米し
た胡錦濤さんが頼んでいったのやろか?」と言っていました。このよ
うに多くの人は、靖国神社は単なる戦没者の追悼施設と考え、「靖国
は太平洋戦争を引き起こした日本の軍国主義の象徴」といった見方が
あることはまったく知らないように思います。

元朝鮮人軍夫らを追悼する「恨之碑」を除幕

沖縄戦で強制連行され犠牲となった元朝鮮人軍夫らを追悼する「恨之
碑」の除幕式が13日、読谷村で行われ、元軍夫の姜仁昌(カン・イン
チャン)さん(85)は「韓国と沖縄が手を携え、悲惨な戦争のない世
界にしてほしい」と挨拶しました。

< 碑に刻まれている「恨」の文字について平良牧師は「恨は日本語
でいう『恨みつらみ、その先にある復讐』ではない。朝鮮語で言う
『恨(はん)』は『恨み、つらみ、その先にある報復』が当然である
ような仕打ちを受けた者が、その傷を忘れるのでも、水に流すのでも、
あたかも無かったかのようにするのでもなく、逆に心の底に深く刻み
ながらも、それを乗り越え、バネにして、新しい共生の道を築いてい
こうとする未来志向の思考を表す言葉です」と説明。そして、「錆び
ついた鉄が打たれていくうちにいぶし銀の輝きを発するようになる。
『恨(はん)』とはまさにそれだ」と、ある在日の方の言葉を紹介。
そして、「恨(はん)とは究極のところ『希望』」であり、私たちは
『いぶし銀のように輝く希望』の碑を建てることを決意した」と述べ
た。>

沖縄の『はんの碑』 元朝鮮人軍夫も参加して除幕式」(インター
ネット新聞JANJAN、15日)

「恨」の文字について、日韓で意味が違うことを初めて知りました。
同じ文字でもこのように意味が違うのですから、歴史についても相互
の共通の認識が必要ですね。

今横田めぐみさんの父・滋さんが訪韓されており、拉致被害者の救出
にも日韓の連携が叫ばれていますが、韓国側の協力を得るためにも、
こういう過去があったことを率直に認めた上で、互いの共生関係を築
いていくことが大切ではないでしょうか?

「恨之碑」の写真は、下記の「恨之碑建立をすすめる会沖縄」のウェ
ブサイトでご覧になれます。

http://www.hannohi.com/index.html

「恨之碑」は、まず1999年8月、韓国・英陽郡に建てられています。
デザインは同じく金城実さん。多くの日本人がカンパを寄せたそうで
す。

苦学の日本語 『恨』に」(東京、05年7月31日)

日本遺族会がA級戦犯分祀を提言へ

日本遺族会の古賀誠会長は、靖国神社に合祀されているA級戦犯の分
祀を提言する意向を固めたとのことです。しかし靖国神社はかねてか
ら英霊の分祀は教義上ありえないとしており、またA級戦犯の遺族の
東条家も強く反対していますので、実現はできるか疑問です。

A級戦犯『分祀を検討』 古賀遺族会長が提言へ」(朝日、13日)

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プロフィール

Author:西羽 潔

・1933年生まれの軍国少年OB。
・メーリングリスト「戦争を語り継ごうML」主宰。
・ウェブサイト:「戦争を語り継ごう -リンク集-」
・著書:「むかし、みんな軍国少年だった」(共著)

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