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歴史認識と愛国心―大沼保昭教授

今朝の朝日新聞のコラム「私の視点」に、東京大学教授(国際法)の
大沼保昭氏が、「歴史認識と愛国心 国民の感覚を大事に」という見
出しの一文を寄稿しています。

大沼教授は、先月の朝日新聞の世論調査で、自分は愛国心があると思
う人は78%で、かつアジア諸国への侵略や植民地支配に対して85%が
反省する必要があると答えているのを例に挙げ、国民は至極まっとう
な感覚を持っていると述べています。

そして、「反省するリベラル=非愛国者」対「反省は恥ずべき自虐と
見る愛国主義者」という対立は、メディアが「受け」を狙った図式で、
国民の意識から乖離したものであるとし、<愛国心が強いものほど自
国に誇りをもち、それゆえに自国の過去を反省し、克服しようと努め
る>と書いています。
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愛国心「ある」が78% 朝日世論調査

今朝の朝日新聞は、先月実施した“愛国心”に関する世論調査の結果
を発表しています。

愛国心『ある』が78% 本社世論調査
< 国民の8割が自分に愛国心が「ある」と思い、そのうち9割は先
の戦争で日本がアジア諸国におこなった侵略や植民地支配を「反省す
る必要がある」と考えていることが、朝日新聞社の世論調査(面接)
で分かった。歴史問題をめぐり、中国、韓国と日本の摩擦が取りざた
されるが、日本人の多くは、愛国心をもちつつ、日本の過去の歴史も
冷静に見つめているといえそうだ。>

日本が過去に起こした戦争は正しかったとして、アジアへの戦争責任
を否定する見方が、一部のマスメディアやインターネットなどにあり
ますが、この世論調査の結果は、過去の戦争への反省を、「あまり必
要ない」9%、「全く必要ない」2%となっており、そういう見方はご
く少数であることが分かります。

気になる『愛国教育』

MLにおいて愛国心について、いろいろ熱心な議論が交わされていま
すが、今朝の東京新聞の社説は、<さまざまな危うさを感じます。「い
つか来た道」にならないか。ことし一番心配になったことです。>
と、この問題を論じています。

気になる『愛国教育』」
< 本来、政治家がやるべき仕事は、国民に国を愛せよと言うことで
はなく、国民が愛するに値する国づくりに心血を注ぐことでしょう。


「国民学校」という、国を愛し、国家のために命を捧げよという教育
を受けた者にとっても、ことし一番心配になったことです。

愛国心教育

昨日の「愛国心のトリック」について、二人の方からコメントをいた
だきました。下記はそれへのレスです。

Aさん:
> > 日本ヨイ国 キヨイ国
> > 世界ニ一ツノ神ノ国
> > 日本ヨイ国 強イ国
> > 世界ニカガヤクエライ国
>  何度読んでもマジ泣けてきます。

これは私たちが国民学校初等科(小学校)2年生のとき習った修身の
教科書「ヨイコドモ 下」の「日本ノ国」という章の一節です。当時
の皇国民練成教育の神髄を表すものとして、よく引用しています。

Bさん:
> <国家は、自分の家族といふ如き自然的愛情の直接の対象ではなく、
> 実は人間の感覚や経験を越えた抽象的なものであって、
> 想像力に頼らなければ、これを具体的に掴むことはできない>
> (清水幾太郎「愛国心」)

上記教科書の「日本ノ国」は、まさに具体的な美しい風土のイメージ
を利用して、抽象的な「大日本帝国」のイメージを、小2の子供の幼
い頭に植え付けるものでした。

今年8月15日の神戸新聞に、私と同学年だった、林田国民学校(現姫
路市立林田小学校)の卒業生たち6人に聞いた記事が掲載されていま
すが、この中でもこの一節に触れられています。

林田国民学校 -ある校長の戦中戦後 3.愛国一色
< 教科書は礼儀作法やあいさつの大切さに加えて、天皇の赤子(せ
きし)としての心構え、兵隊への感謝を説く。後ろから二番目、「日
本ノ国」という章の結びの言葉。

 「日本ヨイ国、キヨイ国。世界ニ一ツノ神ノ国」

 「日本ヨイ国、強イ国。世界ニカガヤク、エライ国」

 幼い心に響くよう、やさしい言葉で愛国を鼓舞する。国民学校は、未
来の兵隊を養成することが求められた。>

愛国心のトリック

MLで「愛国心のトリック」というテーマについて議論になっていま
すが、それを読んでいて、よく愛国心の議論で問題になる、「国」とは
何か、英語でいう"State"か"country"かという命題を思い出しました。

"State"はまさに「国家」ですが、"country"には「国家」のほか「郷
里」「田舎」といった幅広い訳があります。日本語の「クニ」という
言葉も、"country"とよく似ていますね。

「おらがクニ」と言った場合は、「XX村」であったり、「信濃の国」
であったりしますし、海外で「おらがクニ」と言えば「日本国」のこ
とでしょうし、そこにはまた「母国」とか「祖国」といったニュアン
スも含まれているでしょう。

すなわち「country=クニ」は郷土から国家までを含んだ広い概念で、
それは自然発生的なもの、古い社会学の用語で言えば「ゲマインシャ
フト(共同社会)」でしょう。したがってそれを愛する心は、自然発
生的に生まれるものです。

一方「State=国家」は、Hさんの言われる“人工的な社会組織”
であり、「ゲゼルシャフト(利益社会)」といわれるものです。それ
を愛する心は、得てして為政者に都合のいい人為的なものになること
が多いと思います。

Oさん:
> 私は良い(本当の)愛国心と悪い(偽の)愛国心という論法がよ
> くわかりません。

私は、その二つの愛国心を、上記のように考えています。

毎度恐縮ですが、私たちが国民学校で習った修身の教科書の次のよう
な一節を、また引用させてください。「クニ」と「国家」の境目をあ
いまいにして、幼な心に、“素朴な”愛国心をベースに“偏狭な”愛
国心を植えつける、まさに「愛国心のトリック」のいい例だと思いま
す。

日本ハ春夏秋冬ノナガメノ美シイ国デス
山ヤ川ヤ海ノキレイナ国デス
コノヨイ国ニ私タチハ生マレマシタ
オトウサンモ オカアサンモ コノ国ニオ生マレニナリマシタ
オヂイサンモ オバアサンモ コノ国ニオ生マレニナリマシタ

日本ヨイ国 キヨイ国
世界ニ一ツノ神ノ国
日本ヨイ国 強イ国
世界ニカガヤクエライ国

石破茂氏の愛国心-声高に言う人間は信用しない-

毎日新聞鳥取版では、「愛国心:どうなる日本」という特集を連載中ですが、
昨23日は自民党の石破茂氏が登場しました。

石破氏といえば防衛オタクが大臣になったといわれた防衛庁長官時代、あ
のギョロッと眼をむいて、皮肉っぽい言い方をする風貌から、何となくタカ派
的イメージを描いていましたが、このインタービュー記事を読んで、見直した
しだいです。彼の愛国心論を要約すると、

< 男女の愛情と同じで、「愛国心」にも良い面も悪い面も正面から見据える
理性と勇気が必要だろう。ただ、内面で密かに思うものなので、声高に言う人
間は信用しない。教育基本法に定めても、日本が検定教科書である限り思想
信条の自由を侵す心配は少ないが、かといって定めてどうなるものでもない。>

ということのようです。

<そもそも、育てようとして育つものでなく、元々あるものだ。私は国民の祝日
には必ず、門前に国旗を掲げる。我が家では、それが子どもの仕事だった。今
では鳥取の自宅周辺でも少なく、国旗が風呂敷売り場で売られているのを知
らない人も多いだろう。>

そういえば、私も子供のころ祝日には門前に国旗を掲げるのが仕事でした。誇
りを持って、喜んでしていました。しかし国旗を掲げないと、町内会長の怖いお
じさんに叱られたり、特高さんのブラックリストに載るようなことは、子供でしたか
ら知りませんでした。ところで安倍さんが子供のころは、国旗を掲げていたので
しょうか?

< 教育の効果はすごい。防衛を専門にやるようになったのは、北朝鮮の現状
を視察したのがきっかけだった。当時の指導者は金日成で、子どもから高齢者
までが「素晴らしい!」と徹底的に教えられ、信じている。中国や韓国の歴史教
育も見てほしい。愛国心を作るのは簡単だ。>

まさにそういう愛国心教育を、私たち軍国少年OB・Gは生れ落ちたときから叩き
込まれて、育ったのです。今の中国や韓国の愛国心教育なんてものの比ではあり
ません。たぶん北朝鮮にほとんど近いものだったと思えます。石破氏は戦後生ま
れで、もちろん皇国民教育の体験はありませんが、北朝鮮の教育を見て、それを
理解しうる珍しい戦後世代と思います。

< だから、教育目的に愛国心を規定するのは難しい。かの国のようになりたくは
ないし、今のように自分の国を何となく嫌いになる教え方もよくない。さまざまな見
方を教えて議論できる教育が望ましいが、国の良い面だけ教えることにつながりか
ねず、国家主義的な教育をされる危険性がある。>

今後の“教育改革”にぜひ一家言を期待したいと思います。

< 最近は、自民党内の若い議員を見ても、怖い。過去の戦争を「すべて正しかった」
と考えていて、頭は大丈夫かと疑いたくなる。日中戦争は明らかに侵略戦争だし、韓国
併合は植民地化で、自衛戦争の面がある太平洋戦争でも、インドネシアの人を日本人
化しようとしたのは間違っていた。

 なぜ戦争を始め、途中で止められず、負けたのか--。そこから目をそらし、責任の
所在を不明瞭にするのは愛国心ではない。戦争を語ることがタブーとされてきた反動で、
「戦争に負けた」と教わった昭和40年代前半までとそれ以降の世代の分水嶺が消え、
社会が左から右に大きく振れている。

 この2~3年、大っぴらにナショナリズムが叫ばれ、不快だ。国は戦中、言論統制により
新聞など批判勢力を排除し、従わなければ「非国民」と斬り捨てた。なぜ同じことを繰り返
すのか。そんなやり方では、国を誤っても幸せにすることはあり得ない。愛国心をあおって
戦争し、負けたのが日本だ。>

このインタービュー記事と同じような内容の投稿をMLにすれば、「左より」といわれる時代
になってきました。このような記事を、御用新聞化しつつある全国版にもぜひ掲載してほし
いものです。


[「愛国心:どうなる日本-私の視点/11 声高に言う人間は信用しない」(毎日鳥取版、23日)


http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/tottori/news/20060923ddlk31040198000c.html



W杯負ければサヨナラ愛国心

今朝のブラジル戦は、残念ながらやはり竹槍では勝てませんでした
ね。昨日の川柳をご覧になって、次のような川柳もいただきました。

< ☆  W杯  必勝祈願も  愛国心

 先日のテレビで、ある政治評論家が、次のように語っていました。
 「皆さん、日本チームに勝ってほしいでしょう。それが愛国心で
す。その愛国心を、教育基本法に盛り込むのが、なぜ、いけないの
ですか」。
 今晩のニュースで、超ミニスカートの女子高生が、W杯の必勝祈
願をしている様子が放映されていました。彼女たちも、愛国心教育
を受けたのでしょうか。>

そういえばネットでも、中田英俊にもイチローほどの愛国心があれ
ば、といった書き込みがあったように思います

お返しにまたお粗末な川柳もどきを一句、

W杯負ければサヨナラ愛国心

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プロフィール

西羽 潔

Author:西羽 潔

・1933年生まれの軍国少年OB。
・メーリングリスト「戦争を語り継ごうML」主宰。
・ウェブサイト:「戦争を語り継ごう -リンク集-」
・著書:「むかし、みんな軍国少年だった」(共著)

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